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2016-05-10

高齢出産の方が子供は健康になる?

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母親が年をとってからの子供のほうが、健康的で背が高く、学歴も高くなる傾向があるようだ。先進国では教育の機会が増えていること、健康寿命が延びていること、などがその理由として考えられるという。遅く生まれて来るのも悪いことばかりではないようだ。

多くの先行研究が、高齢出産で子供の健康リスクが高まることを示唆している。早産やダウン症など妊娠自体のリスクが高まるだけでなく、成人後のアルツハイマー病、高血圧、糖尿病などのリスクも高まるといわれてきた。

p_113 とはいうものの、親の年齢が高いことは子供にとって悪いことばかりではないことを、今回の独マックス・プランク人口統計学研究所のミッコ・ミルスキラ教授と英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのキエロン・バークレイ博士の研究は明らかにしている。

世界中の国々で公衆衛生状態と社会経済状態は改善され続けている。母親の出産年齢が子供に及ぼす影響についてのこれまでの研究は、時間経過と共に変化するこれらマクロなレベルでの環境要因の重要性を見過ごしていた。実際には、子供の出産が10年遅れれば、社会環境も10年分変化するのである。このような観点から見直した結果、研究チームは高齢出産の子供のほうが、若い時の子供に比べて、より健康的であり、身長が高く、学歴も高くなる傾向があることを発見した。

加齢に伴う生殖機能の低下によって種々のリスクが高まるにも関わらず、社会環境などの変化が、身体的なリスクを上回るポジティブな変化を高齢出産の子供にはもたらす可能性が高いということだ。

たとえば、1950年生まれの女性は20歳で出産すれば、子供は1970年生まれということになるが、40歳で出産すれば、子供は1990年生まれになる。「この20年の違いは大きい」とミルスキラ教授は説明する。「90年生まれの子供は、70年生まれの子供に比べて、大学に行く確率がはるかに高まるでしょう。」

研究チームは、スウェーデンで1960年から1991年の間に誕生した男女150万人のデータを用いて解析を行った。出産時の母親の年齢と、子供の高校時の身長、フィットネスレベル、成績、そして最終学歴が比較された。フィットネスレベルと身長は健康状態全般の良い目安であり、学歴は社会的成功と生涯の幸福度の鍵となる決定因子のひとつである。

今回の分析において研究チームは、主として生物学的に同じ両親から生まれた兄弟を比較した。遺伝的にも環境的にもほぼ同じ条件で生まれ育った兄弟を比較することによって、母親の出産年齢の違いの重要性をよりはっきりと見分けることが可能であった、とバークレイ博士は述べている。

解析の結果、高齢出産で生まれた子は、母親が40歳を過ぎていても、より背が高く、高校の成績が良く、大学進学率も高かった。10歳以上年の離れた兄弟を比較したところ、母親が40代初期に生んだ子供の学歴は、20代初期に生んだ子供より平均1年以上長かったという。

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「年齢の高い母親から生まれた子供は、それに起因する疾患などのリスク以上の恩恵を受けるようです。私たちは、高齢出産に対する見方を変える必要があります。子供を望んでいる両親は、一般に高齢出産に伴うリスクのことは良くご存知ですが、ポジティブな効果があることは知らないことが多いようです」とミルスキラ教授はコメントしている。

出典は『集団と開発レビュー』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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