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2020-03-10

運動と食事で軽度認知障害は予防できる?

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軽度認知障害はあなたの記憶に影響を及ぼし、アルツハイマー病など認知症のリスクを高める。米国立医学図書館によれば、軽度認知障害の兆候としては、忘れ物の増加、行事や約束をすぐ忘れる、単語を思い出せない、といったものが挙げられるという。

心血管疾患のリスク因子が、同時に認知症、認知機能低下のリスク因子でもあると考える研究者もいるが、今回研究チームは、心血管疾患の予防法が軽度認知障害の予防にもなることを『米国老人医学会雑誌』に報告した。

心血管疾患の発症を遅くするような生活習慣は、心血管疾患のリスクだけでなく認知機能の低下リスクも下げるだろう、と研究チームは考えた。そのような生活習慣とは、定期的な運動と健康的な食生活、たとえば米国心臓協会が推奨するDASH(高血圧を止める食事アプローチ)ダイエットである。

そこで今回、米国デューク大学医療センターの研究チームは、心血管系に効果のある有酸素運動とDASHダイエットが、軽度認知障害のある高齢者の認知機能に与える影響を検証するために「運動と栄養:認知機能と心血管系の健康を増進するための介入」(略してENLIGHTEN)研究を行った。

対象者は、55歳以上で運動習慣がなく、記憶力や判断力などに問題のある160名とした。対象者は、心血管疾患のリスク因子(高血圧、高コレステロール、糖尿病など)を少なくとも1つ以上持っていた。

対象者は、心血管疾患のリスク因子と認知能力の検査を受けると共に、食事習慣と身体活動能力についても調べられた。その後、ランダムに4つのグループのひとつに振り分けられた。(1)有酸素運動のみ、(2)DASHダイエットのみ、(3)有酸素運動とDASHダイエット、(4)標準的な健康教育の4つである。

(1)有酸素運動群は、35分間の中強度運動(ウォーキングやステーショナリーバイク)を週3回6か月間継続した。最初の3か月は施設で指導者がつき、残りの3か月は自宅で個人で実行した。彼らは食事については、DASHダイエットも含めてまったく指導を受けず、それまでの食事を6か月間継続するように要請された。

(2)DASHダイエット群は、DASHのガイドラインに適う食事を毎週の面談で3カ月間にわたって指導されて、残りの3か月は隔週でそれを継続した。彼らは、6か月間は定期的な運動をしないように要請された。

(3)有酸素運動とDASHダイエット群は、両方のプログラムを実行した。

(4)標準的な健康教育群は、週3回の電話による健康教育を3カ月間受け、残りの3カ月は隔週で受けた。教育内容は主として心血管系疾患の予防に関するものとした。彼らは、6か月間はそれまでの食事・運動習慣を変えないように要請された。

6か月間の介入によって、有酸素運動が参加者の思考力、記憶力、判断力を改善したことが明らかになった。有酸素運動をDASHダイエットと共に実行した参加者にも同様の改善効果がみられた。この改善効果は、プログラムを最後まで完全に実施できなかった場合でもみられたという。

研究チームは、有酸素運動には思考力、記憶力、判断力を改善する効果があり、それは6か月間の運動を完了後1年間は継続するようだ、と結論付けている。ただし、より詳しく知るためにさらなる研究が必要であろう、としている。

出典は『米国老人医学会雑誌

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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