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公開日:2021-08-31

食事だけで更年期症状が84%低下する?

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大豆の豊富な植物ベースの食事が、中程度から重度のホットフラッシュ(ほてり)の頻度を週5回から1回未満まで84%減らすようだ、という研究結果が発表された。12週間にわたる研究の間に、約六割の女性が、ほぼ完全に中程度から重度のホットフラッシュから解放されたという。

研究チームによれば、本研究(『女性血管運動神経障害緩和研究』)は、食事の改善が、ホットフラッシュの治療において従来考えられていた以上に強力であることを示唆するものだという。血管運動神経障害とは、寝汗、ホットフラッシュ、顔面紅潮などの症状のことである。

今回の研究では、ホルモン剤や抽出物は用いられなかった。代わりに、低脂肪の植物ベースの食事にふつうの大豆1/2カップをサラダやスープにして毎日プラスしたものが提供された。

「これは、45歳以上の女性のためのゲームチェンジャーです。彼女たちのほとんどで、薬物なしに重症の更年期症状をすみやかに緩和できることがわかったのです」と筆頭研究者でジョージワシントン大学医学教授のニール・バーナード医師は語っている。

閉経後の女性の八割がホットフラッシュに悩むという。それは胸のあたりから熱が上ってきて、顔面紅潮、発汗、悪寒につながる。ホットフラッシュは安眠も妨げる。かつては、エストロゲンベースの薬物がホットフラッシュの治療に用いられるのが普通だったが、乳がんやその他の深刻な副作用のリスクを高めることが示されて以降は難しくなった。大豆抽出物のイソフラボンには弱い効果しか見られず、効果的な治療オプションはほとんどないのが現状である。

今回研究チームは、1日2回以上のホットフラッシュを報告していた閉経後女性を対象に、介入群と対照群にランダムに振り分けた。介入群は、低脂肪ビーガン(厳密菜食主義)食に1日1/2カップの大豆を使った料理を加えたものを12週間にわたって毎日摂取した。対照群はその間に従来の食事を変えないように要請された。ホットフラッシュの頻度と重症度は、スマホアプリを用いて記録された。その他の身体的および精神的症状については、更年期の特殊な生活の質問票(MENQOL)を用いて調べられた。

参加者には、デジタル体重計、ホットフラッシュをリアルタイムに記録するためのスマホアプリ、インスタントポット(電気圧力鍋)が与えられ、毎週、グループごとに研究チームとZoomによるオンライン会合がもたれた。

その結果、介入群では、ホットフラッシュの発生は79%減り、中程度から重度のホットフラッシュも84%減った。研究が終了した時点で、介入群の59%の女性が、中程度から重度のホットフラッシュから解放された、と報告した。この間、対照群では、ホットフラッシュに関してまったく変化が観察されなかった。

「先行研究において、大豆が有益であることは示されていましたから、私たちは食事を変える効果を検証することにしたのです」と共同研究者のハナ・カレオヴァ医師は述べている。「私たちは、この組み合わせが重要なのだと信じています。本研究の終わりには、大豆が豊富な植物ベースの食事をした女性の多くで、もはや中程度から重度のホットフラッシュをまったく経験しなくなった、生活の質が顕著に改善された、という声が多く聞かれました。」

これまでのランダム化臨床試験においては、大豆製品は、ホットフラッシュの発生頻度を穏やかに減らすことが示されている。その効果は、大豆製品に含まれるイソフラボンが、腸内細菌によって、ホットフラッシュの重症度を低下させる非ステロイド性の化合物であるエクオールに変換されたためであろうと思われる。先行研究ではまた、植物ベースの食事がエクオールの生成を促進することも示されている。今回の研究では、大豆と植物ベースの食事の組み合わせによって、そうした効果がより顕著に現れたのであろう、と研究チームはみている。

「なにかお薬を試してみる前に、この方法をやってみなさい、とわたしなら言いますね」と参加者のひとりはコメントしている。「簡単ですもの。誰にだってできますよ。」

出典は『更年期

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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