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公開日:2021-09-24

たんぱく質を充分に摂っていない糖尿病患者が多い

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糖尿病に罹患した成人の半数が、充分なたんぱく質を摂っていないだけでなく、日常動作に支障を持つ者も多数見られることが、オハイオ州立大学とアボット社の共同研究で明らかになった。糖尿病患者にとって、栄養素の中でも、筋肉を維持して身体を動かす支えになっているたんぱく質の摂取はきわめて重要だが、見過ごされがちなようである。

「私たちは長い間、糖尿病患者の糖分の摂取にばかり注目してきましたが、今回のデータではたんぱく質の摂取不足が糖尿病に及ぼす影響に光が当てられています」と主任研究者のクリストファー・テイラー教授は語っている。「糖尿病患者は、筋肉低下のリスクにさらされています。それは転倒やその他の障害につながるものです。それがたんぱく質を食べなければならない理由であり、その必要性を自覚することで、筋肉を維持して立ったり歩いたりといった身体機能を維持することができます。それは糖尿病患者がより力強く日々を生き抜くための助けになるのです。」

今回発表された研究では、米国国民健康・栄養調査(NHANES)の2005年から2016年にかけて米国人23,000人以上から収集されたデータを解析した結果、以下のような知見が得られたという。

  • ●全体として、糖尿病患者の51.2%、糖尿病予備群の45.4%、健常者の34.2%が、たんぱく質の1日推奨摂取量を満たしていなかった。
  • ●たんぱく質の1日推奨摂取量を満たしていない糖尿病患者の52%が、日常基本動作(腰を曲げる、かがむ、ひざまずく、長時間立っている、大きなものを押したり引いたりする等)を完全に行えないといった身体機能の制限を報告した。
  • ●たんぱく質の推奨摂取量を満たしている糖尿病患者は、全体的な食事の質も良好で、野菜、全粒穀物、乳製品、添加糖の1日推奨摂取量を満たしている可能性が高かった。
  • ●たんぱく質の推奨摂取量を満たしていない糖尿病患者は、食事の栄養素密度が顕著に低い傾向があり、血糖値に悪影響を及ぼす可能性のある12.5%以上の炭水化物を摂取している可能性が高かった。
  • 「本研究が明らかにしているのは、私たちの食事に含まれる食品の質の重要性だけでなく、私たちが毎日必要とする栄養素の量も重要だということです。どちらも私たちの健康とモビリティ(可動性)の維持に重要であり、糖尿病患者にとってはさらに重要だということができます」とアボット社の糖尿病専門栄養士であるサラ・トーマス博士は語っている。

    「栄養教育は、適正な栄養素を含んだ食事を調達するための知識を与え、摂取を避けるべき食品を教えてくれるので、人々が糖尿病のような病態を上手に管理する助けになるでしょう。」

  • 栄養素には、三大栄養素のたんぱく質、脂質、炭水化物に加えて、多くの微量栄養素(ビタミンとミネラル)があって、その推奨摂取量を完全に理解するのは容易なことではない。日本では厚生労働省が5年ごとに食事摂取基準(DRIs)の改定を行っており、栄養素ごとに、推奨摂取量や耐用上限量(これ以上は食べてはいけない量)などを決めている。それによれば、1日のたんぱく質の目標量は、身体活動レベルがII(ふつう)のヒトの場合、30-49歳で88-135gとなっている。https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.htmlにアクセスすれば日本人の食事摂取基準2020年版の全文が読める。
出典は『栄養素

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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