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健康素材の研究レポート 一覧

サン・クロレラ研究開発部が健康素材の試験や分析した結果を報告しています。

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【学術情報】

(株)サン・クロレラ研究開発部

「糖尿病予備群に対するクロレラの作用 ―プラセボ対照ランダム化比較試験によるメタボロームからの知見―」を第35回日本臨床栄養学会総会(2013)にて発表

2013年10月

本演題は、審査委員によるサイエンスおよびプレゼンテーションの審査において、クロレラの作用手法および試験計画が評価され若手奨励賞を受賞致しました。

研究目的
2型糖尿病は世界的に増加しています。2型糖尿病が進行していくと、脳卒中や腎症、認知症などの合併症を起こすことがよく知られています。そこで、2型糖尿病予備群のヒトがクロレラを摂取することで、 どのような変化が起こるかをプラセボ対照ランダム化比較試験で検証しました。
試験方法
2型糖尿病予備群(HbA1c値*1:6.0%~6.4%)の成人男性60名をクロレラ食品摂取群30名とプラセボ食品(クロレラを含まない同一形状の粒)摂取群30名の2群に分け、食品の摂取期間を12週間としました。それぞれについて、摂取開始前、摂取開始4週間、8週間、12週間、16週間後に血液検査、および摂取開始前と12週間後に血液特殊検査とメタボローム解析*2により、血液中の物質の変化を評価しました。
 結   果
メタボローム解析により、クロレラ食品摂取群で、脂肪酸の代謝が向上し、酸化ストレスの改善が 示されました。
クロレラ食品摂取群は摂取前に対して、4週目に総コレステロールが有意に低下しました(p=0.029)。
更に、ビタミンB群の1種で抗酸化作用が知られている葉酸の濃度が増加し、動脈硬化や心血管疾患、認知症の発症と関連しているホモシステインが有意に低下しました(p < 0.001)(図1)。なお、葉酸は血液中のホモシステインを低下させることが知られています。
以上の結果より、クロレラの摂取によって脂肪酸の代謝と共に酸化ストレスの改善が認められました。2型糖尿病への進展は脂肪酸の代謝が悪化することや酸化ストレスが増大することが知られています。 このことから、クロレラの摂取は2 型糖尿病への進展抑制が期待されます。また、糖尿病だけに留まらず、葉酸の増加やホモシステインの低下により、貧血、動脈硬化、心血管疾患、脳血管疾患、認知症などの幅広い予防が期待できます。この様な作用が期待できるのは、クロレラが含む多くの栄養素が相互的、補完的に働き、緩やかに体内バランスを整える結果と考えています。クロレラはあくまでも食品であり、体内に取り込まれた成分の代謝は他の食品同様なので、継続的に摂取することでクロレラの作用を享受出来るものと考えられます。

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用語説明

1)HbA1c値
HbA1cはヘモグロビン・エーワンシーと読み、過去1~2ヵ月の血糖値の平均を反映し、糖尿病の診断にも使われます。HbA1c値が6.5%以上の場合は糖尿病が強く疑われます。
出典:日本糖尿病対策推進会議配布パンフレットより
2)メタボローム解析
生命の活動(代謝)によって作られる物質を特定の範囲(分子量約1,000まで)で丸ごと高感度に検出し解析する技術。2型糖尿病予備群等の病気一歩手前の状態では、血液検査値に大きな変動が示されないことが多く、従来の血液検査値だけで判断するのは難しい面があります。本技術は血液中の物質の僅かな変動を捉えることができるので、新しい事実を評価する方法として期待されています。

 詳   細 

タイトル:
糖尿病予備群に対するクロレラの作用-プラセボ対照ランダム化比較試験によるメタボローム解析からの知見-
著  者:
藤島雅基2, 板倉弘重1, 竹腰英夫2, 直木洋2
所  属:
1)茨城キリスト教大学、2)株式会社サン・クロレラ

PDF版 182KB

※この情報は、学術雑誌や学会において発表された内容の掲載であり、商品の販売促進を目的とするものではありません。

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