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2020-11-11

適切な栄養が身体と精神の健康に直結する

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米国イリノイ大学などの研究チームは、最適な栄養状態が身体フィットネスと認知機能パフォーマンスにダイレクトに影響を及ぼしているとする研究結果を発表した。適切な栄養摂取は、身体に活力を与えフィットネスレベルを改善するだけでなく、同時に、精神機能も改善するのだという。

研究チームは、『サイエンティフィックレポート』誌に発表された、厳密な臨床試験である二重盲検ランダム化プラセボ(偽薬)対照介入試験(いわゆるRCT)によって、米国空軍の男性と女性の兵士148名を対象に、最適な栄養補給が、心身のパフォーマンスを向上させるかどうかを検証した。

対象者はランダムに2群に分けられ、1群にはアボット社が開発した最適な栄養を含む高たんぱく質の栄養飲料が与えられ、別の1群には見た目や味はそっくりだが栄養を含まないプラセボ飲料が与えられた。

両群とも、同じ身体訓練プログラムを週5日実施した。プログラムには、有酸素運動とレジスタンス運動がバランスよくミックスされていた。

今回用いられた栄養飲料は、たんぱく質の他、ルテイン、オメガ-3系脂肪酸、リン脂質、ビタミンD、β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸(HMB)を含んでいた。

試験の結果、運動だけでなくこの飲料を飲んだ参加者は、プラセボ飲料を飲んだ参加者に比べて、以下のような改善がみられた。

  • ・作業記憶が11%改善された(情報処理と問題解決に使われる記憶で、マルチタスク能力の向上を示唆する。しばしばストレスによって損なわれる)
  • ・反応時間が6%改善された(参加者は刺激に対して、より速く、より正確に反応した)
  • ・筋量が同じ運動をしたプラセボ群に比べて、約900g多く増加した。
  • ・安静時心拍数が8%低下した(心肺フィットネスレベルの指標であり、プラセボ群の1分あたり75回から65回に低下した)

 

「運動による身体と精神への健康効果はよく知られていますが、私たちの研究が実証しているのは、最適な栄養補給によって、脳の機能をより押し上げる助けになるだろう、ということです」と筆頭研究者のクリス・ツウィリング博士は語っている。

「この結果に、私たちは興奮しています。現実の世界において、単純な食生活の変更によって、かくも大きな変化をもたらすことが可能である、という厳密な証拠を得ることができたのですから。」

■カラダと脳に燃料を供給する

「アボット社は、長年、脳機能に対する栄養の影響を研究してきました」と共同研究者でアボット社のマシュー・クッチャン博士は語っている。

「今回の結果は、適切な栄養と運動を組み合わせることで、強いストレスに曝されている人々(兵士)が、もっとも必要な時に身体的および精神的なシャープさを保ち続けることが可能になることを確認しています。」

本研究で使われた新しい栄養飲料のデザインを指導したアボット社のタパス・ダス博士によれば、この栄養飲料には、認知機能のパフォーマンスを高めるといわれている、オメガ-3系脂肪酸の一種であるDHA、そしてカロテノイドの一種であるルテイン、そしてリン脂質などが含まれている。たんぱく質やビタミンD、HMBなど筋肉の健康に資する成分も含まれる。アボット社では、今回の研究成果を元に、個人の健康寿命を最大限に引き出せるような栄養製品を生み出す構想があるという。

「明らかに栄養というものは、米国空軍の男女兵士にとって、身体と精神のパフォーマンスを延ばし、維持する上でかなめとなる構成要素です」と米国空軍研究所の主任研究者であるアダム・ストラング博士は語っている。

「この研究は、適切な栄養成分を含んだ栄養サプリメントが、バランスのとれた運動との組み合わせによって、それを実現できることを示しています。私たちは、この知見が兵士の直面する困難で複雑なミッションにより良く対処することに、活かせるようにすることを望んでいます。」

出典は『サイエンティフィックレポート

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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