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2019-08-27

糖分入り飲料の制限は、がんリスクを下げる

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糖分入り飲料の摂取が増えると、がんのリスクが高まる可能性があるようだ、とフランス・パリ13大学の研究チームが『英国医学会誌(BMJ)』に発表した。

この研究結果は、砂糖税や販売制限によって糖分入り飲料の摂取を制限することが、がんの減少につながることを示唆する新たなエビデンス(科学的根拠)といえるだろう。

糖分入り飲料の摂取量は過去数十年の間に世界中で増大しており、肥満の原因のひとつであることは明らかだが、肥満はまた種々のがんの強いリスク因子とみなされている。けれども、これまで糖分入り飲料の発がんリスクに関する研究は限られていた。

今回、研究チームは、糖分入り飲料(糖分添加飲料と100%フルーツジュース)、人工甘味料入り(ダイエット)飲料の摂取量と、種々のがんの発症リスクとの関係について検討するために、大規模コホートの参加者で101,257人の健康なフランス人成人(うち女性が79%、平均年齢42歳)のデータを解析した。

参加者は、オンラインで少なくとも2回の食事調査(過去24時間の食事をすべて思い出して記録する)を完了した。その後最大9年間(2009年から2018年まで)にわたってがんの発症が追跡調査された。

毎日の糖分入り飲料の摂取量が計算され、また本人からの申告によるがんの発症は、医療記録と健康保険データベースによって確認された。

がんの発症に影響するよく知られた種々のリスク因子(年齢、性別、学歴、家族歴、喫煙の有無、運動レベル、など)を考慮して統計解析が行われた。

糖分入り飲料の平均摂取量は、男性が90.3mLで、女性の74.6mLよりも多めだった。追跡期間中に、2,193件のがんが確認された(乳がん693件、前立腺がん291件、大腸がん166件など)。がんの平均診断年齢は59歳だった。

データ解析の結果、加糖飲料の1日あたりの摂取量が100mL増えるごとに、がん全体の発症リスクが18%増えることが明らかになった。また乳がんの発症リスクに限ると22%増加した。

糖分入り飲料のうち100%フルーツジュースだけに限定して分析したところ、100%フルーツジュースも、他の糖分入り飲料と同じくらい、がん全体の発症リスクを高めることが明らかになった。前立腺がんと大腸がんについては関連がみられなかったが、これは症例数が少なかったためだろう、と研究チームはみている。

対照的に、人工甘味料入り(ダイエット)飲料には、がんリスクとの関連はみられなかった。ただし、こちらについても研究チームは、対象集団が比較的少ない量しか摂取していなかったためである可能性があり、結果の解釈には慎重であるべきだとしている。

糖分入り飲料が、がんのリスクを高めるメカニズムについて、研究チームでは、糖分が内臓脂肪、血糖値、炎症マーカーを増やすことで、それらががんリスクの増加につながったのではないかと考察している。

あるいは、炭酸飲料などにしばしば含まれる添加物などが影響している可能性もあるという。

本研究は観察的研究であり、因果関係についての確固とした結論は導くことができない。研究チームは、飲料の誤分類や、がんの確認に間違いの含まれる可能性を指摘している。

とはいえ、本研究は、さまざまな潜在的因子の影響を調整して解析ができるくらい大規模な集団データを扱っており、またさまざまな検証によっても大きな変化はみられなかったことから、高い信頼性があるだろう、と研究チームは述べている。

「本研究は、100%フルーツジュースを含めて、糖分入り飲料の摂取を制限すべきだという既存の栄養学的な推奨が、がん患者の減少に寄与していることを支持するものといえるだろう」と研究チームは結論付けている。

出典は『英国医学雑誌(BMJ)』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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