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2018-11-29

父親の運動習慣が、子供の生涯の健康を左右するかも

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米国ジョスリン糖尿病センターとオハイオ州立大学の研究チームは、子供の代謝機能に対する父親の運動習慣の重要性を、マウスを用いた動物実験により実証した。

2型糖尿病などの代謝疾患に、本人ではなく両親の不健康な食生活が関係していることを報告する研究はしばしばみられる。最近では、特に父親が子供の肥満や代謝に重大な影響を及ぼすことを示す証拠が増えてきた。

今回、『糖尿病』誌に発表された新研究で、ジョスリン糖尿病センターの研究チームは、親の運動習慣が、子供の成熟後の代謝機能に強い影響を及ぼすことを報告している。

ローリー・グッドイヤー博士とクリスチン・スタンフォード博士らの研究チームは、父親の授精前の運動習慣が、子供の代謝機能に及ぼす影響を、マウスを用いた動物実験で検証した。雄マウスを4群に分け、1)普通エサ+運動なし、2)普通エサ+運動あり、3)高脂肪エサ+運動なし、4)高脂肪エサ+運動ありとして3週間飼育した(運動あり群は、檻に走行用の滑車を入れて自由に走れるようにした。運動なし群の檻には滑車を入れなかった)。その後、雌マウスと交配した。生まれてきた仔マウスは、普通エサ+運動なしの条件下で1年間飼育された。

父親が高脂肪のエサを摂って運動をしないという不健康な生活をした3)の場合、生まれた仔マウスは、雄も雌も1年後には肥満しており、糖尿病の前段階であるグルコース耐性を示す傾向がみられた。ところが、食べたエサに関わりなく、運動をした2)と4)の父親を持つ仔マウスには、その傾向がみられなかったという。

「この結果は実際、男性が授精前に運動習慣をもっていたかどうかが、子供の生涯にわたる健康に重要であることを示すものといえます。私たちが父マウスに高脂肪食を与えた場合、その仔マウスへの影響はひどいものでした。けれども、驚いたことに、父マウスが運動していた場合には、まったく違っていたのです。人間に当てはめて言うなら、父親が全く悲惨な食生活をしていても、運動習慣があれば子供に良い影響を及ぼすことができるのです」とグッドイヤー博士は述べている。「これには2型糖尿病リスクの劇的な低下というおまけもついていまし。」

研究チームではまた、運動習慣が、父親の精子における遺伝子発現に影響を及ぼすことを発見した。それによって、高脂肪食の悪影響が子供に及ばないようになるのであるという。

「私たちは、精子に含まれる遺伝子の一種である小さなRNAの組成が大きく変化することを発見しました。現在、そのRNAのどれが代謝を改善するために必要だったのか、そしてそのメカニズムはどうなっているのかを検討しているところです」とスタンフォード博士は述べている。

研究チームは、この結果が、精子中の小さなRNAが父親の環境情報を子供に移行させるのを助けているという仮説を支持するものだと主張している。

出典は『糖尿病』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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