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2020-07-30

新型コロナウイルスによる世界的な身体活動量の低下

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新型コロナウイルスのパンデミック宣言によって、全世界で急激な身体活動量の低下が起きたようだ、という米国カリフォルニア大学の研究結果が発表された。

2020年3月11日、WHO(世界保健機関)は、新型コロナウイルスを世界的なパンデミックである、と宣言した。病気の蔓延を抑制するために、世界中の行政機関が、外出自粛や休業要請、ソーシャルディスタンスの実施を要請した。

パンデミックによって大きく影響を受けると思われる身体活動は、健康の重要な決定要因であり、1日の歩行数は全死因による死亡リスクと強く関連している。感染が長引けば、引き続き移動が制限され、身体活動に影響を及ぼすのは明らかだった。

研究チームは、新型コロナウイルスによる世界的パンデミック宣言の前後における歩行数の世界的な変化を調査した。2020年1月19日から6月1日まで、無料のスマホアプリのユーザーから収集した個人データを解析した。スマホに内臓の加速度計から歩数データを取得し、ユーザの居住地域はIPアドレス(インターネットで各スマホに割り当てられる固有番号)から割り出した。

調査期間中に、世界187カ国に住む455,404名のユニークユーザーから合計19,144,639歩の歩数が記録された。スマホの92%はアップルで、8%がアンドロイドだった。

データ解析の結果、世界中で、パンデミック宣言から10日以内に1日の平均歩数が5.5%(287歩)減少し、30日以内に27.3%(1,432歩)減少したことが明らかになった。

ただし、平均歩数の変化のタイミングと速度には、地域によって大きなばらつきがあったという。たとえば、イタリアは3月9日に全国的なロックダウンを宣言し、最大48.7%の減少を示したが、スウェーデンでは集会の制限とソーシャルディスタンスの要請のみでロックダウンは行われなかったため、最大6.9%の減少に留まった。

イタリアやイランなど、新型コロナの流行が早かった国では、ベースラインからの相対的な歩数減少速度が速かった。

3月11日にパンデミックが宣言されたあと、1日の平均歩数が15%減少するまでにかかった日数は早い方から、イタリア(5日)、スペイン(9日)、フランス(12日)、インド(14日)、米国(15日)、英国(17日)、豪州(19日)、そして日本(24日)の順だった。

地域ごとの歩数変化の傾向は、ソーシャルディスタンスを達成するための様々な行動変化やその導入時期などの組み合わせを反映している可能性があるという。たとえば、これまでのところ、新型コロナウイルスの感染率が比較的低く、強い封鎖措置を講じていない台湾、韓国、日本でも、持続的に全体的な歩数の減少がみられる。

本研究にはいくつかの制限が存在する、と研究チームは警告している。スマホを持っている人のデータに限られること、測定される歩数はスマホの機種による誤差があること、スマホの持ち運びや使用習慣にはばらつきがあること、また身体活動強度の違いは考慮しておらず、歩かない運動は捉えられないこと、などである。さらに、今回のデータは、国ごとの代表性をもつものではないため、比較には限界がある。

とはいえ、新型コロナウイルスの大流行によって、世界的に急激な歩数の減少が見られ、地域によるばらつきがあることは明白であろう。この傾向は、国ごとのソーシャルディスタンスの意識と順守率の変化を反映している可能性があり、より精密な分析研究が必要である、と研究チームはまとめている。

出典は『内科学年報

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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