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2020-12-18

推奨以上の定期的な運動で、座りっぱなしの弊害を解消できる

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世界保健機関(WHO)は、長時間座り続けることがもたらす健康への悪影響が、推奨される身体活動量より多く運動することでほぼリセットできる、とする新しい国際ガイドラインを発表した。

もちろん、わずかな身体活動であっても無意味ではなく、それらの総和が長期にわたる健康に資するのである、と新ガイドラインは強調している。

このような種類の勧告が発表されたのは初めてのことであり、その背景には、増大する座位時間の増加が深刻な健康危機をもたらし早死リスクを高めている、という科学的根拠がますます増加していることがある。

このガイドラインが掲載された、『英国スポーツ医学雑誌』の特集号には、新たな研究成果も掲載されており、毎日長時間座ったままでいる成人が、身体活動量を増やせば、そのリスクに対抗できることが示されている。

この新研究では、4か国44,000人以上の人々が、身体活動量計を装着して日々の身体活動量を測定した結果、1日10時間以上も座位で過ごす人々は、死亡リスクが極めて高いこと、とりわけほとんど運動しない人でそれが顕著なことが明らかにされた。

興味深いことに、中-高強度の運動を毎日30-40分することで、このリスクは、ほとんど座位で過ごすことがない人々と同程度にまで低下した。この1日30-40分の中強度から高強度の身体活動というのは、今回のWHOのガイドラインで推奨されているものと同レベルのものである。

残念ながら、何時間以上の座位はダメだと明確にいえるような、十分な科学的根拠はまだ得られていない。けれども、年齢や能力に関係なく、できる限り座位時間を少なくして、それを身体活動にあてることが重要だ、とガイドラインは述べている。

身体活動は、どのようなレベルのものでも良い。階段を昇る、歩く、庭いじり、掃除・洗濯・炊事といった家事全般から、ジョギング、サイクリング、高強度インターバルトレーニング、チームスポーツへの参加まで、身体を動かすすべての活動があてはまる。

WHOのガイドラインでは、これらの活動時間をすべて足し合わせて、中強度の身体活動が週当たり150-300分、あるいは高強度運動が75-100分であることを推奨しているが、たとえ少なくても健康には有益であるとしている。十分に運動できない場合は、とにかく少しでも始めて、次第に頻度、時間や運動強度を増していくようにすれば良い。

運動は精神や身体の健康に良いというだけでなく、生産性を高め、就業年齢における疾病や死亡のリスクを下げるので世界経済にも好影響をもたらすという。

今回のガイドラインは、6か国から40人以上の研究者が参加して作られた。その目的は、身体活動と座位行動の健康影響に関する最新の科学研究についてのコンセンサスを得ることであり、それによって2010年に出されたWHOのガイドラインを刷新することだった。

有酸素運動と筋力トレーニングの両方を定期的に行うことの重要性が強調されているほか、初めて基礎疾患を持つ人、障害を持つ人、そして妊娠中の女性、新しく母親になった女性に対する特別の推奨が付け加えられた。

高齢者(65歳以上)は、機能的能力を高め、転倒を防ぐために、週3日以上、中程度以上の強度で機能的バランスと筋力トレーニングを強調する身体活動を行う必要があるという。

女性は、妊娠中、出産後も定期的に身体活動を継続するのが良い。これには高強度の有酸素運動と筋力トレーニングが含まれる。穏やかなストレッチも有益である。

「新しいガイドラインは利用可能な最高の科学的根拠を反映していますが、私たちの知識にはまだいくつかのギャップがあります。たとえば、「座り過ぎ」の正確な基準がどこにあるかはまだ明確ではありません。しかし、この研究分野は速いペースで進歩していますから、数年以内に答えが得られることが期待できるでしょう」と特集号の共同編集にあたったシドニー大学のエマニュエル・スタマタキス教授はコメントしている。

出典は『英国スポーツ医学雑誌

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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