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2021-06-30

健康な食生活で妊娠合併症は減らせる

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受胎前後から妊娠中期にかけての健康的な食生活が、一般的な妊娠合併症のリスクを低下させる、という米国NIHユーニスケネディシュライバー国立小児保健発達研究所(NICHD)の研究結果が発表された。

健康的であることが知られている3種類の食事パターンにかなった食生活を送っている妊婦は、そうでない妊婦に比べて、妊娠糖尿病や妊娠高血圧、早産などのリスクが低めであることがわかったという。結果は、『米国臨床栄養学雑誌』に掲載された。

米国では妊婦の6-9%が妊娠糖尿病を、9%が妊娠高血圧や子癇前症、子癇の影響を受け、さらに10%が早産であるという。こうした合併症は妊婦とその子供たちの両方にとって、後年の心血管代謝障害のリスクを高めることから、修正可能なリスク因子(食事や運動など)を明らかにすることは、公衆衛生上の優先事項である。

研究チームは、妊婦の食事が合併症に及ぼす影響を明らかにすべく、『NICHD胎児成長研究』に参加した妊婦から数回にわたって食事データを収集し解析した。具体的には、1,887名の妊婦が、妊娠8週から13週にかけて、過去3カ月の間になにをどれくらいの頻度で食べたか食事摂取頻度質問票をもちいて回答し、さらに妊娠16-22週と24-29週には24時間思い出し法で前日に食べたものをすべて答えた。

これら複数回にわたる食事データを、健康な食事パターンとして知られるAHEI(もうひとつの健康的な食事インデックス)、AMED(もうひとつの地中海型食生活)、DASH(高血圧をストップする食事アプローチ)という3種類の食事評価法を用いてスコア(点数)化して評価した。

3つの食事パターンは、主として米国人の食事パターンを評価するために開発されたもので、それぞれが異なった目的を持っており、そのために細かい部分にはいろいろな違いがあるが、全体としてみるとかなり似かよっている。その主要な特徴は、次のように表現できる。

すなわち「果物、野菜、全粒穀物、ナッツ、豆を豊富に食べましょう。赤肉と加工肉はあまり食べないようにしましょう」ということである(赤肉というのは脂肪の少ない赤身肉という意味ではなくて、豚肉や牛肉など哺乳類の肉のことで、鶏肉などの白肉と区別される)。

データを解析した結果、研究チームは、こうした健康に良いと考えらえる食事パターンにかなった食生活を妊娠中期までしていた妊婦には、妊娠糖尿病、高血圧、子癇前症、早産のリスクが低いことを発見した。

詳細な結果は以下の通り:

  • ●妊娠16-22週のAHEIスコアが、最高だった上位25%の妊婦は、最低だった下位25%の妊婦に比べて、妊娠糖尿病を発症するリスクが68%低かった。
  • ●妊娠8-13週または16-22週のDASHスコアが上位25%だった妊婦は、下位25%の妊婦に比べて、妊娠高血圧を発症するリスクが、55-81%低かった。
  • ●妊娠24-29週にAHEIスコアが上位25%だった妊婦は、下位25%の妊婦に比べて、子癇前症を発症するリスクが69%低かった。
  • ●さらに、妊娠8-13週にAMEDスコアが上位25%であった妊婦と24-29週にDASHスコアが上位25%であった妊婦は、下位25%の妊婦に比べて、早産リスクがどちらも50%低かった。

 

「受胎前から妊娠中にかけてのAHEI、AMED、DASHにかなう食生活の順守は、妊娠糖尿病、妊娠高血圧、子癇前症、早産のリスク低下と関連している」と研究チームは結論付けている。

出典は『米国臨床栄養学雑誌

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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