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公開日:2024-02-26

トマトジュースに含まれる抗菌ペプチドが腸チフスを予防する

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トマトジュースには、腸チフスを起こすチフス菌や尿路感染症などの原因となる病原菌を殺傷する抗菌成分が含まれているようだ、という米国コーネル大学の研究結果が発表された。

トマトには、カロテノイドの一種であるリコピンやビタミンCなど抗酸化能の高い成分が豊富に含まれており、活性酸素を取り除いて免疫力を高める効果が期待されているが、今回研究者らは、トマトに含まれるペプチド(ちいさなタンパク質)の作用に注目した。

「私たちの研究の目標は、トマトやトマトジュースが、チフス菌のような腸内の病原菌を殺傷することができるか、もしできるなら、その理由は何かを明らかにすることでした」と主任研究者でコーネル大学准教授のジョンミン・ソン博士は述べている。

まず初めに、研究者らは、トマトジュースにチフス菌を殺傷する能力があるかどうかを確かめた。実際に、トマトジュースに抗菌活性があることがわかったので、次に研究者らは、トマトのゲノムを調べて、抗菌活性をもつ複数のペプチドを見つけ出した。これらのペプチドは、病原菌の細胞膜に作用して、それを破壊する能力を持っていた。研究者らは、抗菌活性を有する4種類のペプチドから、特にチフス菌に対する抗菌活性の強い2種類のペプチドを選び出した。

研究者らはさらに、腸チフスが蔓延する地域にみられるチフス菌の変異体についても効果を検証した。また、コンピュータを用いた研究によって、これらのペプチドがチフス菌やその他の腸内病原菌に対してどのような抗菌作用を発揮するのか調べた。最後に、研究者らは、トマトジュースが、消化管感染症や尿路感染症を起こす他の腸内病原体に対して有効かどうかを検証した。

その結果、トマトジュースは、感染力の特に強いチフス菌の変異体にも効果的であり、また消化管感染症や尿路感染症を起こす他の腸内病原体の殺傷能力も有していることが明らかになった。特に、選ばれた2つの抗菌ペプチドは、細菌の保護層である膜を破壊する作用を持ち、これらの病原体を除去することが可能であった。

「私たちの研究は、トマトとトマトジュースがチフス菌などの腸内病原細菌を殺傷する能力をもっていることを示しています」とソン博士は述べ、一般の人々、特に子供や若者がこの研究結果を知ることで、消費者に天然の抗菌効果を提供するトマトや他の果物、野菜をより多く摂取することを望むとしている。

出典は『Microbiology Spectrum

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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