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2019-07-23

「朝型」の女性は、乳がんのリスクが低い!?

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朝型(別名ヒバリ型)の女性は、夜型(別名フクロウ型)の女性に比べて、乳がんの発症リスクが低いようだ、という英国ブリストル大学の研究結果が、『英国医学雑誌(BMJ)』に発表された。

夜間に推奨される7-8時間を超えた長時間睡眠も、乳がんリスクを高めるらしいことも明らかになったという。

女性の7人に1人が乳がんになるといわれる時代だが、すでに先行研究においてシフト勤務が乳がんのリスクを高めることが報告されている。その原因として、睡眠パターンが安定しないこと、夜間に強い照明を浴びること、その他の生活習慣の乱れがあると想定されてはいたが、睡眠習慣が乳がんリスクに与える潜在的な影響については、不明の部分が多く残されていた。

そこで、今回研究チームは、睡眠習慣が直接的に(つまり因果的に)乳がんの発症リスクに影響を及ぼすかどうかを検証しようとした。

研究チームは、メンデルランダム化と呼ばれる手法を用いて、3種類の睡眠特性(朝型・夜型傾向、睡眠の長さ、不眠症傾向)に関連した遺伝子変異に基づいて、18万人の英国遺伝子バンク登録女性と23万人の乳がん関連協議会登録女性を分類した。

このような遺伝子変異に基づいた分析は、従来の伝統的な疫学研究につきものの問題を回避できるメリットがあるという。つまり遺伝というのは完全にランダムに起きる事象なので未知の交絡因子が入り込んで研究の信頼性を損なうのを防ぐことができる。

そのため、メンデルランダム化による解析は、因果的な関連性を推定することに使えるだけの信頼性をもつことができるのである。

英国遺伝子バンクの登録データを通常の統計分析にかけたところ、朝型の女性は、夜型の女性に比べて、わずか(女性100人につき1人少ない程度)に乳がんの発症リスクが低いことがわかったが、睡眠の長さや不眠症傾向との関連はみられなかった。

さらにメンデルランダム化による解析から、朝型特性には乳がんリスクに対する保護的効果が存在することを支持する証拠が得られたという。また、7-8時間を超える長時間睡眠は、乳がんリスクを高める方向に作用することもわかったという。しかし、不眠症傾向については、はっきりした傾向はみられなかった。

研究チームは、本研究にはいくつかの限界があると指摘している。そのひとつは、睡眠に関して、機械などでの測定でなく、本人の自己申告にたよっていることである。また参加女性のほとんどが欧州系の祖先をもっている(つまり黒人やアジア人がほとんど含まれない)ことから、知見はほかの民族集団にはあてはまらない可能性があるという。

とはいうものの、2つの高品質の登録データを複数の方法を用いて解析しており、既知および潜在的な種々のリスク因子についても考慮されている。さらに詳細な解析においても結果にはほとんど違いがなかった。

「したがって、今回の知見は、乳がんリスクに対する因果的影響の強力なエビデンスを提供するものです」と研究チームは述べている。「さらに睡眠と乳がんリスクの間の説明可能なメカニズムを明らかにする必要はあるものの、疑いもなく、これらの結果を一般集団の睡眠習慣に応用して、健康改善に役立てることができるでしょう。」

出典は『英国医学雑誌(BMJ)』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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