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公開日:2026-01-29
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毎日の食事で摂取する炭水化物の「質」と「量」が、アルツハイマー病を含む認知症リスクに決定的な役割をはたしている可能性があるようだ、という研究結果が発表された。
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歳を取ることは、それ自体が認知症の大きなリスク要因だが、高インスリン血症、慢性炎症、2型糖尿病といった代謝因子や生活習慣因子の影響を受けることも知られている。したがって、健康的な生活習慣、とりわけバランスの取れた食生活を維持することは、加齢に伴う認知症リスクの上昇を遅くするうえで重要な役割を担っている。
特に炭水化物は、日々の活力をもたらす主要なエネルギー源として、通常は摂取カロリーの5割以上を占め、血糖コントロールやインスリン代謝に直結することから、その「質」と「量」は、認知症などの加齢関連疾患のリスクといった健康問題に大きく影響を及ぼす可能性が高い。 |
炭水化物の「質」を測る重要な指標として知られるもののひとつにグリセミック・インデックス(GI)がある。これは、「その食品中の炭水化物が、食後の血糖値をどれだけ速く上げるか」を0〜100で示す尺度で、実際に食品を摂取して測定された実測値を元に決められている。たとえばジャガイモや白パンはGIが高く、多くの果物や全粒穀物はGIが低い。
今回、スペインのロヴィラ・イ・ヴィルジリ大学の研究チームは、英国の大規模前向きコホート研究である英国バイオバンクから、研究開始時点で認知症のなかった成人20万人超(202,302名)のデータを解析した。食事質問票を用いて各参加者の食事のGIと、摂取量も加味した「グリセミック・ロード」(GL)を推定し、その後平均13年間にわたって追跡調査した。追跡期間中に2,362人が認知症を発症した。
| 研究者らは、高度な統計手法を用いて「どのレベルのGIから認知症リスクが上がり始めるのか」という「境界領域」を含めて検討し、食事と長期的な脳の健康の関係をできるだけ精密に把握しようとした。
データ解析の結果、グリセミック指数(GI)の低い食品を摂取すると認知症の発症リスクが低下する一方、GI値の高い食品を摂取すると発症リスクが上昇することが示された。具体的には、GI値が低~中程度の食事ではアルツハイマー病の発症リスクが16%低下するのに対し、GI値の高い食品では発症リスクが14%上昇した。血管性認知症についても同様の所見が認められたという。 低GI食は、あらゆる原因による認知症、アルツハイマー病、および血管性認知症に対する予防効果をもたらす可能性がある一方、高GI食はリスクを高める可能性があり、認知症の予防と管理戦略において、炭水化物の「質」と「量」の両方を考慮することの重要性を強調するものだ、と研究者らは結論付けている。 |
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「これらの結果は、果物、豆類、全粒穀物など、低GI食品を多く含む食事を摂ることで、認知機能低下、アルツハイマー病、その他の認知症のリスクを減らせる可能性があることを示唆しています」と研究リーダーのモニカ・ブロ教授はコメントしている。
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