公開日:2015-10-22
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ウォーキングでもっとたくさんのカロリーを燃やしたいときどうするか? 答えは簡単、歩きながらペースを速めたり緩めたりすれば、一定のペースで歩く場合に比べて、最大20%も多くのカロリーを燃やせるようだ。米国オハイオ州立大学からの報告。
この研究は、「歩行速度を変化させる」ために必要な代謝的コストつまりカロリー消費を測定した初めての研究だという。
「今までに報告された研究の多くは、一定速度のウォーキングだけを対象にしていました。私たちの研究は、大きく欠けていた部分を補うものといえます」と共著者のマノジ・スリニヴァサン教授は語っている。「歩行速度の変化に伴う代謝的コストを測定することには、大変重要な意義があります。というのは、人間はルームランナー(トレッドミル)の上で生活しているわけではないからです。日常生活では歩行速度は常に変化します。私たちは、歩行速度を変えるということが、歩行におけるコスト(カロリー消費)を実際に増加させることを発見しました。」 |
今回の研究結果は、伝統的な方法で消費カロリーを計算するとウォーキングでもスポーツでも、実際のカロリー消費量を過小に評価することになることを示しているという。速度を変えるときに余分なカロリー消費が発生するが、それは一般的な計算では考慮されることがないからだ、とスリニヴァサン教授は説明する。研究チームによれば、我々が1日に歩くことで消費するカロリーのうち、約8%が歩き始めと立ち止まるために消費されるものである。
「歩くことは速度に応じて一定のカロリーを消費しますが、歩行速度を変えるということは、言ってみればアクセルペダルを踏み込むようなものなのです。脚に余分な負荷がかかり、それが余分にカロリーを燃やすことになるわけです」と筆頭著者のニディ・セータパチ氏は述べている。
歩行速度の変化に伴うコストを測定するために、研究チームは、一定速度で動いているルームランナー上で、対象者自身に歩行速度を変えてもらった。速度を速めるときはルームランナーの後端部から先端部に向かって進んでもらい、緩めるときは逆に後端部に下がるように、足の動かし方を変化させてもらった。他の研究者らによる先行研究では、ルームランナーのスピード調節機能を用いて歩行速度を変化させていたが、これでは余分なエネルギーを使うのはルームランナーのほうであって、人間のほうのコストにならないのだという。
研究ではまた、人間が短い距離を歩くときはゆっくりと歩き、距離が延びるにしたがって早歩きになっていくことが確認された。これは怪我などのリハビリで回復の度合いを測る時に、実際に歩く距離が問題になることを示唆しているという。
「この研究結果が示しているのは、どれくらいの距離を歩くのかということが歩行それ自体を変えるということです」とセータパチ氏は述べている。「人間は歩く距離が異なれば、無意識的に異なる速度で歩くのです。つまり歩行速度を測る時に、短い距離を歩かせれば、長い距離を歩く場合に比べて、相対的に歩行速度は低下しますから、全体的に遅めの結果がでる可能性があるのです。」 最後に、スリニヴァサン教授は、ウォーキングによってもっと多くのカロリーを燃やすための方法をアドバイスしている。いわく「なるべく不自然に歩きなさい!」 |
「バックパックを背負って歩いたり、足に重りをつけて歩くのです。そして歩いては突然立ち止まり、それを繰り返すのです。まっすぐなラインにそって一直線に歩かずに、わざと曲がりくねったカーブの上を歩くのです」と教授はコメントしている。
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