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公開日:2019-04-10

夕方からのエクササイズは安眠を妨げない

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就寝前4時間以内の高強度インターバルトレーニングは、安眠を妨害することがあるので避けるべきだと言われているが、実際に調べてみたら、そのような現象はみられなかった、という豪州チャールズスタート大学からの研究報告が発表された。

夕食の支度に子供のお迎え、観たいドラマもあるしで、運動なんかしている暇はない、フィットネスへの道は限りなく遠いと考えている人は多いだろう。そうでなくても、仕事でくたくたに疲れた夕方から、フィットネスクラブにわざわざ行く気にはなれないし、夜の高強度運動は安眠を妨げるといわれれば、なおさらかもしれない。

でも、ご安心! 研究チームによれば、夜間に30分の高強度運動は、安眠を妨げることはなさそうであり、空腹ホルモンの分泌を抑える効果もあるらしい。

研究チームは、11人の中年男性を集めて、運動時間が睡眠と食欲に及ぼす影響についての実験を行った。別々の日に、朝(6-7時)、昼(14-16時)、夜(19-21時)に、高強度インターバルトレーニングをしてもらい、血中の食欲ホルモンの変化と夜間の睡眠状態の変化を測定した。トレーニングは、自転車エルゴメーターを最大酸素摂取量の100%という限界の強度で1分間、次いで50%の強度で4分間、という組み合わせを連続して6回行い、計30分間とした。

その結果、夜の運動は、安眠を妨げることはないというだけでなく、空腹を刺激するホルモンであるグレリンの分泌を大きく減少させることが明らかになったという。運動でただちに空腹感が抑えられるということではないが、明らかに夜早い時間が高強度運動をする時間帯の候補のひとつとして位置付けられることを支持する結果といえるだろう。

もっとも、本研究は極めて少人数の限られた対象者から得られたものなので、もっと多人数の研究で再現性が確認される必要はあるし、中年男性以外の性年齢集団に適用することには限界がある。

筆頭研究者のペネローペ・ラーセンは、次のようにコメントしている。

「今後の計画として、私たちは女性を対象に同様の実験を実施して、睡眠と食欲ホルモンに対する反応の男女差を調べたいと考えています。また、今回の研究では、1回の運動の効果だけに焦点が当てられていたので、より長期の睡眠と食欲に及ぼす朝昼晩の高強度運動の効果を調べることは有意義でしょう。」

興味深いことは、朝のトレーニングよりも昼と夜のトレーニングの方が高いパフォーマンスを得られたということで、つまり1日の遅い時間のほうがより良い成績を出し易いということである。今後、運動計画を立てる際には時間帯を考慮する必要が出てくるかもしれない。

出典は『実験生理学』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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