公開日:2024-01-29
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フィットネスレベルが高い人は、将来病気で入院するリスクが低いようだ、というスウェーデン・ヨーテボリ大学の研究結果が発表された。以前に入院した経験のある人に特にあてはまるという。
定期的な身体活動は、心血管系疾患の発症と死亡リスクを下げるなど、多くの健康効果が知られているが、フィットネスレベルが入院リスクに及ぼす影響については、ほとんど研究されていなかった。
そこで、研究チームは、1986年から2019年にかけて実施されたコホート研究の参加者91,140人を対象として、職域保健プログラムによる2回の健康診断のデータをもとに、心肺フィットネスの高さと入院リスクの関係について解析した。データには、身長、体重、血圧、生活習慣、病歴と共に、フィットネスレベル(エアロバイクでの最大下の運動レベルにおける最大酸素摂取量として評価)の測定結果が含まれていた。 |
2回の健康診断の間(平均3.2年)のフィットネスレベルの変化が、医療記録から得られた入院データと比較された。入院については、平均7年間におよぶ全ての入院と、特に心血管疾患に起因する入院についての関係が検討された。
解析にあたっては、測定間のフィットネスレベルの変化が1年あたりプラスマイナス1%以内であれば「心肺フィットネスの維持」と定義し、それ以上の変化は、プラスなら改善、マイナスなら悪化とした。
データ解析の結果、フィットネスレベルが悪化した人に比べて、フィットネスレベルを維持した人は、全ての原因による入院のリスクが7%低く、フィットネスレベルが改善した人は11%低いことが明らかになった。
特に、以前に入院した経験のある人で効果が高かった。入院した経験のある人がフィットネスレベルを維持または改善した場合、悪化した場合に比べて、入院リスクが14%低下した。 心血管疾患が原因の入院についていえば、フィットネスレベルが悪化した人に比べ、フィットネスレベルを維持した人では9%、改善した人では13%、それぞれ入院リスクが低下した。さらに、以前に入院した経験のある人がフィットネスレベルを維持または改善した場合には、心血管疾患による入院リスクは20%低かった。 これらの結果は、すべて入院リスクに影響を及ぼす食生活、喫煙の有無、ストレスレベルなどの因子の影響を除外した調整後のものであり、純粋にフィットネスの効果を示すものである。 |
「特に入院経験のある人々にとって、フィットネスレベルを高めることは、再入院を減らすことにつながり、したがって将来の医療負担の大幅な減少を期待できます」と研究チームは結論付けている。
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