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公開日:2015-08-31

トマトで痛風になるかもしれません

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トマトを食べ続けていたら痛風が悪化した気がする、というのは単なる気のせいではないかもしれない。ニュージーランド・オタゴ大学の研究者らは、トマトの摂取と痛風を結びつける生物学的な関連性を見つけた、とする初の報告を『BMC筋骨格系障害』誌に発表した。

痛風は男性に多い、痛みを伴う慢性の関節炎で、ニュージーランドの白人男性の4-5%、マオリ族など先住民の男性では遺伝的に10-15%と高い罹患率であることが知られている。日本人男性の場合は、30歳以上で1.7%が罹患するというデータがある。

痛風の症状は、ある種の食品の摂取によって悪化し、ひどい痛みの原因となることが知られているが、オタゴ大学生化学部の研究者らは非常に多くの痛風患者がトマトをその原因食品に挙げていることに気が付いたという。

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研究チームでは、2,051名の痛風患者を対象に聞き取り調査を行ったところ、7割の患者が痛風発作の引き金になる何らかの食品をひとつ以上報告した。トマトは、20%の患者によって挙げられており、筆頭研究者のターニャ・フリン氏によれば、トマトは、魚介類、アルコール、牛豚肉に次いで4番目に報告者が多い食品だったという。

 1440659635 「私たちは、痛風患者が言うことの生物学的な裏付けを取ることが重要だと思いました」とフリン氏は述べている。研究チームは、それを明らかにするために、次に、米国で長期にわたって実施されている大規模調査から、12,720名のデータを抽出・分析したところ、トマトの摂取量と血中の尿酸値に相関がみられることが明らかになったという。尿酸は、痛風の主要な原因物質である。

この研究結果は、トマトが痛風発作の引き金になることを証明するものではないが、尿酸値が高まるということは、他の痛風発作の引き金になる食品に共通してみられる特徴である、とフリン氏は述べている。「私たちはトマトを食べることと血中尿酸値の間に、魚介類や赤肉、アルコール、加糖飲料に見られるのと同じ正の相関があることを発見したのです。」

フリン氏は、痛風患者が発作を抑えるためには、アロプリノールのような非常に効果的に尿酸値を下げる薬がすでにあるので、それを使用すべきだと述べている。「トマトを食べて発作を起こしたことのある患者にとってはトマトを避けるのは有効な手段ですが、適切な治療を受けていれば、長期にわたって避け続ける必要はありません。」

「トマトが、実際に痛風発作を起こす食品リストに加えられるべきかどうかは、介入実験などで検証する必要がありますが、本研究はその可能性を示唆する最初のステップなのです」とフリン氏はまとめている。

出典は『『BMC筋骨格系障害』』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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