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公開日:2024-09-27

チョコレートの多くが重金属で汚染されている

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ダークチョコレートの愛好者は、食べるのを1日1回に制限したほうがいいかもしれない。米国ジョージワシントン大学の研究者らは、米国で流通しているカカオ製品の多くで、安全基準を超えた重金属汚染が検出されたと発表した。

研究チームは、一般の小売店で販売されているダークチョコレートなど72種類のカカオ製品について、重大な中毒を引き起こす可能性のある、鉛、カドミウム、ヒ素、水銀などの重金属汚染のレベルを分析した。製品に含まれる重金属の量は、最大摂取許容量を超えるかどうかで評価された。

分析の結果、製品の43%が最大許容摂取量を超える量の鉛を含んでいることが明らかになった。製品の35%には、最大許容摂取量の超える量のカドミウムも含まれていた。ヒ素については、最大許容摂取量を超える製品はみつからなかった。

驚くべきことに、オーガニック(有機)表示のついた製品のほうが、非オーガニック製品に比べて、鉛とカドミウムの汚染レベルが高い傾向がみられたという。

研究者らによれば、平均的な消費者にとっては、適切な量のカカオ製品を食べている限り、重大な健康リスクが生じる危険性はないが、毎日大量に食べたり、ほかの重金属に汚染された食品と共に食べたりすると、最大許容摂取量を超えてしまう可能性が高いという。

重金属の汚染レベルが高い食品には、貝類や内臓のように重金属が蓄積しやすい動物性食品や、重金属に汚染された土壌(あるいは中国、ナイジェリア、インド、エジプトなど規制が不十分な国々)で栽培された食品やハーブサプリメントなどがある。カドミウムについては、これらに加えて海藻類(特にヒジキ)に注意が必要である。

消費者は、重金属への曝露には体内への蓄積性があることに注意しなければならない。特にオーガニックの表示のあるカカオ製品には重金属の汚染レベルが高めなので細心の注意を払う必要があるという。ダークチョコレートも、1回に食べる通常の目安量である1オンス(28g)ならば、心血管系リスクを低減し、認知機能を高め、慢性炎症を低下させる効果が期待できるというが、これらの研究は限られたものであり、重金属汚染の影響については考慮されていないものがほとんどである。

「私たちはみんな、チョコレートが大好きですが、同じように重金属汚染が懸念される魚介類や穀類などと共に、食べすぎには注意しなければなりません」と主任研究者のレイ・フレーム准教授は述べている。「私たちの食事から重金属をすべて除去するのはもはや不可能で現実的ではありませんが、気を付けて生活すれば食べすぎを避けることは可能です。」

 

出典は『Frontiers in Nutrition

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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