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公開日:2020-10-16

コーヒーと仮眠で、夜勤時も冴えた頭をキープする

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夜勤の時に、眠気を覚まし、注意力を維持するには、1杯のコーヒーを飲んでからの仮眠が有効かもしれない、というサウスオーストラリア大学の研究結果が『寿命学インターナショナル』誌に発表された。コーヒーを飲んだら眠れないと思いきや、意外にそうでもないようだ。

オーストラリアでは、140万人以上の人々がシフト勤務に従事しており、そのうち20万人以上が定常的に夜勤または深夜勤をしている。

筆頭研究者のステファニー・セントファンティ博士は、この発見が、多くのシフト勤務者が経験する、いつまでも眠気が抜けない睡眠慣性と呼ばれる現象を和らげる助けになるだろう、と語っている。

「シフト勤務者は、睡眠パターンが不規則になって、慢性的な睡眠不足におちいることが多いのです」とセントファンティ博士は言う。

「そのために、彼らは夜勤時に覚醒レベルを高めるための方法をいくつか持っているのが普通です。その中には、短い仮眠やコーヒーを飲んだりすることが含まれますが、そのような方法が持つ欠点を理解することも重要です。」

「多くの人が、夜勤中に強い疲労感を覚えて仮眠を取ります。けれども、それによって、睡眠慣性が起きます。これは仮眠後に意識がもうろうとなる現象で、仮眠後1時間近くもパフォーマンスや気分が損なわれるのです。」

「カフェインもまた、多くの人によって眠気覚ましに使われます。けれども、こちらも摂り過ぎは睡眠や健康によくありません。それに、仮眠後に飲んでも、効き始めるのに20-30分必要なので、望んだ効果を得られるまでにはかなりのロスタイムがあるのです。」

それに対して、研究チームが開発した“カフェイン仮眠”(略称“カフナップ”)は、実用的な代替手段になり得るものだ。仮眠をする直前にコーヒーを飲むことによって、(まだカフェインが効き始めない)仮眠の間に休息が取れるし、起きた時にはカフェインが効き始めているので、まさにウィンウィンの関係になるのであるという。

今回、研究チームは、少人数(健康な女性4名、男性2名)を対象にした予備的な研究で、その効果を検証した。参加者は、コーヒーのレギュラーカップ1-2杯分に相当する200mgのカフェインを午前3時30分に飲み、直ちに30分間の仮眠をして、その効果を、カフェインの代わりにプラセボ(カフェイン抜きコーヒー)を摂って仮眠した場合と比較した。

実験の結果、“カフェイン仮眠”を取った参加者は、カフェインを取らずに仮眠した場合と比べて、仮眠後のパフォーマンスと注意力が顕著に改善されたという。これは、この方法が睡眠慣性に対する対抗策になる可能性を示すものだ、と研究チームは述べている。

セントファンティ博士は、シフト勤務者の疲労軽減のための期待される新たな対抗策として、より多くの人々での検証を重ねていきたい、とコメントしている。

出典は『寿命学インターナショナル

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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