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公開日:2026-03-25

イチョウ葉が認知機能障害に有効な根拠はないが、認知症の改善には有効かもしれない

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イチョウ葉サプリメントには、認知症の患者に対する短期の穏やかな改善効果が期待できるかもしれない、というレビュー結果が発表された。だが同時に、主観的な記憶障害、軽度認知障害(MCI)、多発性硬化症関連の認知障害の患者には、ほとんどあるいはまったく効果を期待できないことも明らかになった。

また、イチョウ葉サプリメントは、いずれの患者においても、プラセボ(偽薬)と比較して深刻な有害事象のリスクを高めることはなかった。

今回のレビューは、米国、英国、中国、シンガポール、台湾からの国際研究チームによる、イチョウ葉の有効性に関してこれまで行われた中で最も包括的なレビューのひとつである。

研究チームは、主要な医学研究データベースと臨床試験レジストリで、2024年までに発表された、10,613人の対象者を含む82件の研究を同定した。うち、半数以上(52件)が中国語で発表されたものだった。チームはまた、いくつかの研究からの未発表データも使用した。

「人口の高齢化が進み、認知機能障害や認知症の罹患率が上昇し続ける中、広範な市場を持つイチョウ葉のようなサプリメントの厳密な評価は、科学的根拠に基づく意思決定に欠かせません」と筆頭研究者のL・スーザン・ウィーランド博士は述べている。

また、主任研究者のハキマ・アムリ教授は、補完代替療法を評価するうえでの、厳格な基準の重要性を強調している。「統合医療的なアプローチは、通常の治療と同じ科学的な堅牢さによって評価されなければなりません。」

今回研究チームは、認知機能に問題はあるが正式な診断は受けていない人、多発性硬化症と認知機能障害を併発している患者、軽度認知障害(MCI)の患者、および認知症患者を分けて、個別に分析した。

認知機能障害とは、思考、記憶、学習、意思決定に問題が生じる状態を指し、気分や行動変化を伴うこともある。認知症は、日々の生活に支障をきたすレベルのより重度の認知機能障害を指し、最も一般的な原因はアルツハイマー病である。薬物治療で症状が緩和されることはあるが、病気の進行を止めたり逆転させることが証明された治療法は存在しない。

研究チームは、イチョウ葉を、主としてプラセボとの比較で、あるいは他の治療法との比較、および従来の治療法への補助治療として評価した。

データ解析の結果、認知症患者においては、イチョウ葉の6か月間の投与が、プラセボに比べて、全体的な症状、認知機能、および日常生活動作能力の改善をもたらすことが明らかになった。けれども、研究ごとに結果が大きくばらついており、また多くの研究が方法論上の限界を抱えていて結果に対する信頼性を下げていた。

軽度認知障害(MCI)の患者では、イチョウ葉の6か月間の投与には、ほとんどあるいはまったく効果が見られなかった。多発性硬化症と認知機能障害を併発している患者でも、イチョウ葉の投与は意味のある改善をもたらさない可能性が高かった。正式に診断されていない人についての結果はハッキリしなかった。

全体として、イチョウ葉サプリメントによる有害事象全般および重篤な有害事象の発生率はプラセボと差がなかった。

「今回のレビューは、広く用いられているイチョウ葉サプリメントに関する意思決定を行う臨床医と患者にとって、明確な指針となるでしょう」とアムリ教授はコメントしている。

出典は『Cochrane Database of Systematic Reviews

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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