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公開日:2024-02-05

より健康的なライフスタイルにすれば若年性認知症のリスクは抑えられる

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若年性認知症(65歳未満で発症する認知症)にも、老年期認知症(65歳以上)と同様の15のリスク因子が存在するようだ、という研究結果が『JAMA神経学』誌に発表された。この知見は、新たな予防戦略の基礎となるものであるという。

若年性認知症は、世界中で毎年約37万人の新規発症があるにもかかわらず、研究が少なく不明な点が多かった。

今回エクセター大学(英国)とマーストリヒト大学(オランダ)の研究チームは、英国バイオバンクから65歳未満の35万人以上のデータを抽出して、若年性認知症の発症に影響を及ぼすさまざまな因子(遺伝、生活習慣、環境)についての広範な検討を行った。

その結果、低学歴、貧困、遺伝的変異、アルコール使用障害、孤立(孤独)、ビタミンD欠乏、うつ病、脳卒中、聴覚障害、心疾患など全部で15種類に及ぶさまざまな因子が、若年性認知症の発症リスクを大幅に上昇させることを発見した。

「このブレークスルー研究は、認知症研究における国際協力とビッグデータの重要な役割を浮き彫りにするものです。すべての認知症の予防、診断、治療に関する私たちのミッションはまだ道半ばですが、よりターゲットを絞ったものになりつつあります。今回の研究はこれまで行われた中でも最大かつ堅牢なもののひとつです。うれしいことに、この検討によって、発症を予防するための行動につながるさまざまな因子をはじめて明らかにすることができました」と共同研究者でエクセター大学のデヴィッド・レウェリン教授は述べている。

「若年性認知症は非常に深刻な影響を患者にもたらします。患者は若く、働き盛りで子供も幼く多忙な毎日を送っていることが多いからです。その原因はしばしば遺伝的な素因とされ、厳密な原因が特定されないことが多かったのです。それで私たちは今回の研究を行うことにしました」と筆頭著者でマーストリヒト大学のステヴィ・ヘンドリクス博士は述べている。

「私たちはすでに高齢者の認知症に関する研究を通じて、認知症の発症には多くの変更可能なリスク因子が存在することを知っていました。そこでは身体的な因子だけでなく、精神的な因子も重要な役割を演じています。慢性的なストレスや孤独、うつ病といったものです。そうした因子が若年性認知症にも当てはまるという事実は、私にとっては意外でしたが、そのおかげで発症リスクを下げる可能性がみえてきました」と主任研究者でマーストリヒト大学のセバスティアン・ケーラー教授は述べている。

「私たちの研究は、若年性認知症のリスクを下げることが可能である、という認知症診療の新天地を切り開くものです。私たちは、本研究が新たな介入研究分野の到来を告げるものだと考えています」と共同研究者でエクセター大学のジャニス・ランソン博士は述べている。

出典は『JAMA Neurology

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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