公開日:2021-09-24
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糖尿病に罹患した成人の半数が、充分なたんぱく質を摂っていないだけでなく、日常動作に支障を持つ者も多数見られることが、オハイオ州立大学とアボット社の共同研究で明らかになった。糖尿病患者にとって、栄養素の中でも、筋肉を維持して身体を動かす支えになっているたんぱく質の摂取はきわめて重要だが、見過ごされがちなようである。
「私たちは長い間、糖尿病患者の糖分の摂取にばかり注目してきましたが、今回のデータではたんぱく質の摂取不足が糖尿病に及ぼす影響に光が当てられています」と主任研究者のクリストファー・テイラー教授は語っている。「糖尿病患者は、筋肉低下のリスクにさらされています。それは転倒やその他の障害につながるものです。それがたんぱく質を食べなければならない理由であり、その必要性を自覚することで、筋肉を維持して立ったり歩いたりといった身体機能を維持することができます。それは糖尿病患者がより力強く日々を生き抜くための助けになるのです。」
今回発表された研究では、米国国民健康・栄養調査(NHANES)の2005年から2016年にかけて米国人23,000人以上から収集されたデータを解析した結果、以下のような知見が得られたという。 |
「本研究が明らかにしているのは、私たちの食事に含まれる食品の質の重要性だけでなく、私たちが毎日必要とする栄養素の量も重要だということです。どちらも私たちの健康とモビリティ(可動性)の維持に重要であり、糖尿病患者にとってはさらに重要だということができます」とアボット社の糖尿病専門栄養士であるサラ・トーマス博士は語っている。
「栄養教育は、適正な栄養素を含んだ食事を調達するための知識を与え、摂取を避けるべき食品を教えてくれるので、人々が糖尿病のような病態を上手に管理する助けになるでしょう。」 |
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