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公開日:2009-05-15

妊娠と葉酸

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妊娠すると、胎児の成長につれて、お母さんが摂取しなければならない栄養やエネルギー量が増加していきます。妊娠期に不足しやすい栄養素の一つに葉酸があります。厚生労働省が2000年に妊娠適齢期の女性に対して食品やサプリメント等から1日400μgの葉酸を摂取することが望ましいとの指針を発表しました。これは、多くの国々で行われた疫学調査の結果から、「葉酸摂取が神経管閉鎖障害の発症リスクを低下させる」ということが分かってきたからです。 1367029299

神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄などの中枢神経系が正常に形成されない先天性異常です。少し古いデータですが、日本における発症率は1998年で出産(死産を含む)1万人に対して6.0人と推計されています。欧米諸国では、もともと発症率が日本より高いのですが、1990年頃から葉酸摂取促進の政策が進められ、葉酸を添加したシリアルやパンなど強化食品が広く市販され、神経管閉鎖障害は減少しています。一方、日本では、厚生労働省の呼びかけにもかかわらず葉酸摂取に対する認知は進んでおらず、妊婦の90%以上が葉酸の摂取不足であり、神経管閉鎖障害は増加傾向にあるという調査結果が出ています。

1367029854 葉酸は、ホウレンソウの葉から発見された水溶性のビタミンB群の仲間で、ラテン語で葉が「folium」と呼ばれることから、葉酸(folic acid)と名付けられました。緑黄色野菜や果物に多く含まれていますが、牛やニワトリのレバーなど動物性食品にも含まれています。2004年に行われた国民健康・栄養調査では、15歳から49歳までの女性の葉酸摂取量は1日平均258μgであり、厚生労働省が推奨する1日400μgには達していません。
一般的な食品からだけで、女性が葉酸の必要量を満たすことは難しいのが現実です。胎児の中枢神経系の発生は妊娠7週未満におこりますので、葉酸の摂取時期としては、妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までが特に重要といえます。妊娠を計画している女性は、日頃からバランスの良い食事を心がけることとあわせて、健康食品やサプリメントを積極的に利用して葉酸を摂取することが大切です。

葉酸については、更に加齢に伴う脳の認知機能の低下抑制、心血管疾患、脳卒中やガンの予防にも効果があることが、医学雑誌に報告されています。高齢者では吸収力が弱まることから十分に摂取することが必要です。男女を問わず健康的な生活を送るために重要な栄養素といえます。

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サン・クロレラ 研究開発部