2012/04/27
「この世から便秘というものがなくなれば、どんなにラクだろう」。こんなふうに思ったことが何度もあります。
「そういえば、ここ2、3日お通じがないなあ…」と、いつもふと気づくのですが、この段階では特に何の策も講じることなく、1週間は放置。ここまでくると、さすがにお腹が重くなってきて、気分も沈んで苦痛になります。我慢に限界がきたところで、トイレに行くのに支障がない週末のタイミングで便秘薬を飲む。この繰り返しの日々が長く続いていました。私の場合、便秘に悩まされ始めたのは社会人になってからです。現代人は、ストレスや、生活習慣の悪化が原因で便秘になることが多いそうです。 |
『こちら調査室』の調査においても、13.8%の人が「よく便秘になる」と回答しています。特に日本の若い女性は半数近くが便秘で、5日に1回程度しかお通じのない人が、そのうちの約7割を占めるというデータもあるそうです。逆に、働き盛りの男性は、下痢に悩まされている人が多いとか。通勤途中、電車の各駅で降りてトイレに駆け込むほどの「過敏性腸症候群」(またの名を各駅停車症候群)の人も多いようです。
お通じがない状態を1週間ほど放っておくことが習慣になってしまっていた私は、2、3日に1回程度お通じがあれば「よし」とする傾向がありました。『こちら調査室』の結果においても、「快便である」と答えた人のうち、日頃のお通じの回数が「2日に1回」という人が8.5%、「3日に1回」という人が1.5%となっています。じつは、ここが落とし穴なのです。
健康な状態であれば、食べたものが消化され、便となって排出されるのにかかる時間は10~12時間といわれます。本来なら、これよりも長い時間お通じがなければ「便秘」なのです。ですが、2、3日でなかったところで、ひどい自覚症状がすぐに起こるわけではないので、特に気にすることなく過ごしてしまいがちです。私の友人のなかには、1カ月近くお通じがなくても平気な人がいました。このように、自分が便秘だと認識できていない人も多くいるのです。こうしたタイプも含めると、じつに日本人の8割が便秘だという説もあります。
でるべきものが順調にでていない状態は、やはり良くありません。体に必要でなくなったものは、できるだけ早くだしてしまうのが理想的。「多少、お通じがなくても平気」という感覚になってしまわないよう、普段から1日1回の排便を心がけたいものですね。 |
体に必要な栄養を体内にとりいれて、不必要なものをだすという、生命を維持するうえで最も基本的で、最も大切な役割を担っているのが腸。腸の調子を整えて、排便をスムーズにすることは健康の第一歩です。
お母さんのお腹の中で赤ちゃんが育つとき、一番に形づくられるのが腸だといいます。このことからも人間にとって腸がいかに大切かがわかりますね。便秘が長引くと、腸の中では悪玉菌が増殖して、腸の働きが鈍り、新陳代謝が悪くなります。ひいては、大腸がんや大腸炎など腸の病気を招く可能性が高くなります。また、腸そのものの病気だけでなく、動脈硬化や糖尿病、肥満、肩こり、肌のトラブル(吹き出物、肌のくすみ、アレルギーなど)を起こす可能性も高まります。便秘で腸の調子が悪くなると、体全体の免疫力が低下して、さまざまな病気にかかりやすくなるので要注意。 |
腸は、体に悪影響を及ぼすウイルスや細菌をいつも見張り、体を守ってくれる役割もあります。
腸は「第二の脳」「考える臓器」と呼ばれています。
腸と脳(心)はまるでつながっているようで、たとえば緊張した時にお腹を下したり、忙しくてストレスがたまっているときに便秘になったり……といった経験のある人も多いのではないでしょうか。体全体の健康をつかさどっているという意味でも、腸の「第二の脳」という呼び方に納得できますね。腸を健康に保つには、心をリラックスさせることが大事。そして、よくいわれるように、バランスのとれた食事や、適度な運動を心がけることも大切です。食事においては、食物繊維や水分を充分に摂取することや、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスをとるために、善玉菌の乳酸菌やビフィズス菌を積極的に摂取することなどがポイントとなります。便通をうながす便秘薬は、あくまでも、ためこんでしまった便をだすための対処療法。便秘を根本的に解消するものではないので、頼り切ってしまうのは良くありません。 |
頑固な便秘をすぐに解消するのはむずかしいかもしれませんが、自身の生活習慣を見直し、健康を大切にするうちに、少しずつよい変化が訪れるのではないでしょうか。 ちなみに私は、ためこんでしまった不要なモノを捨てる、話題の片づけ術『断捨離』をするようになってから、なぜか便秘が解消されてきました。部屋と腸の不要なモノがなくなって、心がスッキリです。 |
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