2012/10/09
「元気?」と聞かれて、「うん!」ではなく、「実は最近ちょっと……」と答えるようになったのは、いつ頃からでしょうか。
定期的に病院に通わないといけないような病気を抱えているわけではないけれど、なんだか疲れがとれなかったり、頭痛がしたり、肩こりがつらかったり……。自信を持って「健康です」と言えるほど調子はよくないけれど、病院に行くほどではない不調をいくつか抱えているのは私だけでもないようです。同年代で集まっても、恋愛の話や仕事のグチよりも、お互いのからだの調子の悪さを訴え合って盛り上がるようになりました。でも、男性同士でそういう会話をしているのはあまり見ない気がします。からだにちょっとした不調を感じるのは、女性に多いことなのでしょうか。 |
『こちら調査室』の調査を見ても、現在の自分の健康状態について「健康だ」と答えた人が全体の4割(44.3%)を占めますが、病院などに行くほどではないけれど不調を感じている人が32.8%、持病や不調があって病院などで治療を行っている人が22.9%と、成人女性の半数以上の人が何らかの不調を感じているようです。
女性が不調を感じ出すのには年齢も大きくかかわっているようで、20代では63.1%もあった「健康だ」の回答が、40代で逆転。不調を感じている、あるいは治療中である人が40代で61.2%、50代で67.9%、60代で71.8%と上昇していきます。そのうち「不調を感じている」女性の割合は、40代が36.9%、50代が41.7%と、「治療中」を大きく上回ります。「健康だ」が過半数を超える30代でも、不調を感じている人は31.7%という高い数字を示しています。ところが60代は実際に病院に行き、何らかの治療を受けている人が42.7%と逆転します。病院に行くほどではないと思いつつ、原因がわからない不調に悩まされるのは、30~50代に多い悩みのようです
実際、どのような不調を抱えているかというと、最も多いのが肩こりで43.1%、ついで「疲れやすい」が35.1%、「冷え性」が22.3%となっています。 |
こうした不調を抱えながらも、「大したことはないだろう」「ちょっと休めばよくなるのでは」と自分の体力を過信して放置したり、仕事や子育てに忙しくて時間がとれない、何科を受診すればよいのかわからない、などの理由から、なかなか病院に行けない女性が多いようです。 その一方で、病院で検査を受けても、血圧や心電図、血液検査の結果などには異常が見られなかったという人もいます。疲れやすい、頭が痛い、めまいがするなどの実際の症状がありながらも明らかな原因となる身体的異常が見つからない場合、「不定愁訴」と診断されることがあります。原因がはっきりしないので根本的な治療ができず、頭痛に対して鎮痛剤を処方されるなど対症療法をとるしかなく、症状が改善されることがありません。 その結果、受診をやめて不調を抱え続けたり、病院を渡り歩く「ドクターショッピング」をすることになったりします。場合によっては心療内科の受診を勧められたり、40代以上ならば更年期として治療を行われるなど、いずれにしても正しい治療を受ける機会を失ってしまうことになります。 |
検査で結果が出ないけれど不調を感じる場合、疑いたい病名の一つに「貧血」があります。貧血なら血液検査でわかるのではないかと思いがちですが、一般的な血液検査で検査されるのは赤血球と白血球、ヘモグロビンと血小板の値。鉄欠乏性貧血の場合、ヘモグロビンの値が正常であることも多く、一般的な血液検査で貧血と診断されることは難しいのです。
貧血といえば、めまいや立ちくらみを起こす程度の病気というイメージがありますが、体内に鉄が不足すると、
など、実にさまざまな症状が引き起こされます。 |
「なんだか調子が悪い」というときの主な症状のほとんどが入っているという状態です。不調が続くけれど原因が見つからない場合、一度、貧血を疑ってみるのもよいかもしれません。 また最近では「プレ更年期」といって、30代後半から40代前半で、更年期によく似た症状があらわれる人もいます。年齢的にもホルモンの数値的にも更年期として診断されにくいのですが、ほてり、冷え、むくみ、めまい、イライラ、倦怠感などが続くときは考えてみたい原因の一つです。ストレスや無理なダイエット、睡眠不足など、生活習慣を見直す必要があります。
ところで、不調を感じたとき以外に、病院に行っていますか? からだの不調が大きくなる前に病気を発見する助けになるのが健康診断です。
『こちら調査室』の調査によると、3年以内に定期的な健康診断を受けていない女性は約3割。特に、結婚や出産で職場を離れる30代は43.7%、専業主婦に限れば66%もの人が3年以内に健康診断を受けていないという結果になりました。30代ではまだまだ自分の健康に自信もあるでしょうし、仕事が忙しくて休めない、子どもを預ける先がないなどの理由で健康診断を先送りしてしまいがちですが、乳がん、子宮がんなどは罹患年齢が下がってきています。
40代、50代、そしてさらにその先まで健康に過ごすためにも、若いうちから自分の健康に関心を持っておくことは非常に大切です。 |
健康診断は、病気を早期発見するためだけでなく、自分の健康を管理し、生活習慣を見直すきっかけにするなど、積極的に活用したいものですね。(と言いつつも、フリー稼業の私も健康診断を受けたのは何年前でしょうか……反省!)
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