クロレラ摂取前の唾液分泌速度の中央値により、対象者を分泌速度が低い群(低群)と高い群(高群)に分けたところ、低群では高群に比べて年齢(44.6 vs 30.8歳,P = 0.03)および体脂肪率(27.0 vs 19.3%, P = 0.0003;年齢補正を実施)が高いことが分かりました。高群では唾液分泌速度における摂 取前後の有意差を認めなかったのに対し(2.69 vs 2.63 mL/min,P = 0.67)、低群では摂取前に比べて摂取後に唾液分泌量が増加ました(1.16 vs 1.32 mL/min[+ 13.8%], P = 0.01)(図 1)。高齢の者では若い者に比べて、また,肥満傾向にある者ではそうでない者に比べて唾液分泌速度が遅く、唾液量が少ない傾向にありますが、クロレラの摂取によりその傾向を軽減できると考えられました。以上より、クロレラ摂取はドライマウスの予防・改善に有効である可能性が示唆されました。
詳 細
タイトル:
クロレラ由来の総合栄養サプリメントは加齢及び肥満に伴う唾液分泌量の低下を軽減する
著 者:
大槻毅1、清水和弘2、荒川ゆかり 3、前田清司4
所 属:
1)流通経済大学スポーツ健康科学部、2)筑波大学スポーツ R & D コア、3)株式会社 サン・クロレラ、4)筑波大学体育系