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健康素材の研究レポート 一覧

サン・クロレラ研究開発部が健康素材の試験や分析した結果を報告しています。

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【学術情報】

(株)サン・クロレラ研究開発部

ヒメマツタケ(Agaricus blazei Murrill)は口内炎を予防する 学術誌「薬理と治療(JPT)」に掲載

学術誌「薬理と治療(JPT)」,Vol.50, No.8, 2022 に掲載

研究目的
がん化学療法時に発症する口内炎は、炎症が広範囲で強い痛みや摂食困難をはじめとした症状によりQOLを著しく低下させます。現在、口内炎に対して推奨される予防・治療法はなく、新たな治療法の確立が必要とされています。また普段の生活でも栄養の偏りやストレスなどによる免疫機能の低下が原因で口内炎が発症し、何度も再発するケースもみられます。
ヒメマツタケは免疫賦活作用や抗炎症作用を有することが知られており、本研究では、抗がん剤によって発症する口内炎モデルマウスを用いてヒメマツタケの予防効果と治療効果について調べました。
試験方法
がん治療時における抗がん剤による白血球の減少および逆流した胃酸の刺激による口腔粘膜に生じた口内炎を再現するモデルマウスの作製方法(島村ら、2018年)を参考にして、6週齢のICR系マウスに、抗がん剤である5-フルオロウラシル(5-FU)を隔日3回(第1日、3日、5日)投与して口内炎を発症させました。ヒメマツタケ投与群のマウスには5日間連日(第1日~5日) 、ヒメマツタケ抽出物を1000mg/kgの用量で経口投与し、発症する口内炎の観察を行いました。また、口内炎の症状の程度を評価するため、ヒメマツタケの最終投与後に血液学的検
査と口腔粘膜の組織学的な評価を実施しました。さらに、皮膚炎、発疹、アレルギー等の要因となるヒスタミンについて、ラット腹腔肥満細胞を用いてヒメマツタケのヒスタミン遊離抑制作用を調べました。
結果
1)口内炎の発症率について
5-FUの隔日3 回投与群(5-FU群)では、口内炎の発症率は100%(10匹中10匹が発症)であったのに対して、ヒメマツタケ投与群では口内炎発症率は20%(10匹中2匹が発症)に低下しました(図1)。2)血液学的検査について
5-FU群では、白血球数の有意な低下が認められましたが、ヒメマツタケ群では、5-FU群と比較して白血球数の有意な増加が認められ、ヒメマツタケによって白血球数の低下が抑制されました(表1)。

 

3)ヒスタミン遊離抑制作用について
ラット腹腔肥満細胞を用いたヒスタミン遊離試験において、ヒメマツタケは5mg/mLで28%、10mg/mLで48%抑制し、濃度依存的な抑制作用が認められました。

本研究の結果から、ヒメマツタケは抗がん剤などによる免疫機能の低下を原因とする口内炎の発症を予防することが示されました。また、ヒメマツタケはヒスタミン遊離抑制作用を有することから、アレルギー性鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患の抑制に有用である可能性が示されました。

 

 

 

用語説明

*:ヒスタミン
白血球の一種である肥満細胞から放出され、アレルギー反応を引き起こす物質。

 詳   細 

掲 載 誌:
学術誌「薬理と治療(JPT)」,Vol.50, No.8, 2022
タイトル:
5-Fluorouracil による口内炎に対する Agaricus blazei Murrill(ヒメマツタケ)の予防効果
著  者:
伊藤 浩子1 , 馬 寧2 , 竹腰 英夫3 , 藤島 雅基3 , 奥村 衣梨3 , 中田 福佳4 , 伊藤 均5
所  属:
1三重大学大学院生物資源学部 海洋生物化学研究室 2鈴鹿医療科学大学 3株式会社サン・クロレラ 生産開発部 4パワフル健康食品株式会社 5菌類薬理研究所

PDF版 467KB

※この情報は、学術雑誌や学会において発表された内容の掲載であり、商品の販売促進を目的とするものではありません。

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