① クロレラ中のビタミンB12が体内で利用可能な構造か判断するため、LC/ESI-MS/MS法 ※1 を用い、クロレラ中のビタミンB12の構造を測定しました。
② クロレラ中のビタミンB12が体内で利用可能か調べるために、健康な成人男性3名にクロレラを1日8gずつ1年間飲用してもらい、3カ月ごとにホモシステイン、葉酸、ビタミンB12の血中濃度を測定しました。被験者には事前にホモシステイン代謝効率に関係するMTHFR遺伝子を検査してもらいました。(ホモシステイン代謝効率が悪いMTHFR遺伝子該当者は血中の葉酸、ビタミンB12濃度が低く、ホモシステイン濃度が高いことが知られています。)
③ 通常、葉酸は小腸で吸収されますが、大腸内の腸内細菌が葉酸を作り出すこと、クロレラが乳酸菌を増殖させることから、大腸における葉酸吸収経路の探索を行いました。6週齢の雄マウス(Slc:C57BL/6 (SPF))を通常食(N=6)、5%クロレラ混餌食(N=6)の条件で4週間飼育し、血中葉酸濃度および大腸の葉酸トランスポーター遺伝子の発現を解析しました。
結 果
① クロレラ中のビタミンB12はビタミンB12標準品と同様の波形を示し、体内利用可能なビタミンB12と同様の構造であることがわかりました。(図1)
② クロレラ飲用により全ての被験者で血中の葉酸、ビタミンB12濃度が上昇していました。 また、ホモシステイン代謝効率が悪い被験者では、血中のホモシステイン濃度が大きく低下することがわかりました。(図2)
③ クロレラ摂取により葉酸の血中濃度が上昇傾向を示し、大腸の葉酸輸送体遺伝子の発現も増加傾向を示しました。(図3)