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健康素材の研究レポート 一覧

サン・クロレラ研究開発部が健康素材の試験や分析した結果を報告しています。

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【学術情報】

(株)サン・クロレラ研究開発部

「エゾウコギ食品の更年期不定愁訴ならびに骨代謝改善作用」を 第 13 回日本予防医学会学術総会(2015)にて発表

2015年07月

研究目的
閉経の前後5年間は更年期とされ、この間は、卵胞ホルモン(エストロゲン)の低下、年齢に伴う体の変化と精神・心理的な要因、社会文化的な環境因子が複合的に影響することで、更年期症状が現れます。 代表的な症状はのぼせ、イライラ、めまいで、半数から8割の女性がこの症状に悩んでいます。この年代の女性は、仕事や子育てに追われることが多いため、更年期の症状を和らげることは、生活の質向上の助けになり得ます。私たちは、これまで、エゾウコギについて抗疲労作用や睡眠改善作用を報告していますが、ヒトの更年期不定愁訴改善作用の報告は少ないため、今回、検証しました。
試験方法
更年期不定愁訴を自覚して、最終月経から1年以上経過した女性のうち、更年期不定愁訴をアンケートで評価するクッパーマン更年期指数*1が16点以上34点以下(不定愁訴の程度が軽度から中等度)の女性13名を被験者としました。すべての被験者には、エゾウコギ根粉末を原料としたエゾウコギ食品を1日2回、朝・夕食後に20粒ずつ計40粒(8g)を16週間摂取していただき、4週間おきに、クッパーマン更年期指数、骨代謝マーカー(血中オステオカルシン・血中BAP(骨型ALP)・NTX/cre 補正・血中TRACP-5b)、性ホルモン(血清エストラジオール・卵胞刺激ホルモン・血清テストステロン)を測定しました。
 結   果
クッパーマン更年期指数について、摂取前よりも有意に低下した項目と週数は、血管運動神経障害様症状(摂取12,16週)、不眠(摂取4,16週)、神経質(摂取8週)、全身倦怠(摂取 8,12,16 週)、関節痛・筋肉痛(摂取4,8週)、合計スコア(摂取 4,8,12,16 週)でした(図1)。合計スコアが中等度の被験者で試験を行いましたが、12週、16週ではバラつきを含めても軽度以下に改善されました。合計スコアの低下に大きく寄与した症状は、血管運動神経障害様症状と不眠でした。
骨代謝マーカーは、血中オステオカルシンの摂取8,12週、血中BAP(骨型ALP)の摂取12,16週で有意に増加しました(図2)。性ホルモンには変化ありませんでした。これらの結果から、エゾウコギは、更年期の女性において、不定愁訴が軽減し、骨代謝も改善され、QOL改善に有用な食品である可能性が示唆されました。

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用語説明

*1: クッパーマン更年期指数
更年期不定愁訴にみられる11症状の強さを、4段階で答えていただくアンケート検査です。被験者に答えていただいた値に、各症状固有の重みをかけて得られた各項目の数値と合計スコアで評価します。数値が大きいほど、症状が強いことをあらわします。各症状は以下のとおり。①血管運動神経障害様症状:顔が熱くなる(ほてる)・汗をかきやすい・腰や手足が冷える・息切れがする
②知覚障害様症状:手足がしびれる・手足の感覚が鈍い
③不眠:夜なかなか寝つかれない・夜眠ってもすぐ眼を覚ましやすい
④神経質:興奮しやすい・神経質である
⑤憂鬱:つまらないことにくよくよする・憂鬱になることが多い
⑥眩暈:めまいや吐き気がある
⑦全身倦怠:疲れやすい
⑧関節痛・筋肉痛:肩こり・腰痛・手足の節々の痛みがある
⑨頭痛:頭が痛い
⑩心悸亢進:心臓の動悸がある
⑪蟻走感:皮膚を虫がはうような感じがする

 詳   細 

タイトル:
エゾウコギ食品の更年期不定愁訴ならびに骨代謝改善作用
著  者:
星崎昌子1、竹腰英夫1、増田康2、齋藤正実2
所  属:
1)株式会社サン・クロレラ、2)株式会社 SOUKEN

PDF版 294KB

※この情報は、学術雑誌や学会において発表された内容の掲載であり、商品の販売促進を目的とするものではありません。

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