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健康素材の研究レポート 一覧

サン・クロレラ研究開発部が健康素材の試験や分析した結果を報告しています。

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【学術情報】

(株)サン・クロレラ研究開発部

エゾウコギは個性に対応した学習促進作用を示す 日本薬学会第142年会(2022年)にて学会発表 

日本薬学会第142年会(名古屋) にて発表

研究目的
受験生は周囲の状況や自身へのプレッシャーを感じ不安感情をもつことが多くあり、この感情が適度なストレスとして受験勉強のモチベーションにつながれば良いですが、過度のストレスになると受験勉強の効率低下につながります。しかし、受験のようなストレスに対する応答性は個々の性格により一様ではないため、個性に対応したストレス適応を促し学習効率の低下を防ぐことができれば受験勉強に取り組む受験生の一助になると考えられます。
エゾウコギについて、これまでストレス負荷時における自律神経機能の安定化作用、学習・記憶に関連するBDNF(脳由来神経栄養因子)の活性化作用を示すことが報告されています。
本研究ではラットを、不安を感じやすい不安高感受性(Sタイプ)と不安をあまり感じない不安低感受性(Lタイプ)に分け、個性別のエゾウコギの学習行動に対する影響を調べました。
研究方法
学習行動の評価にはタッチスクリーン装置を用いました。装置の概要を図1に示しました。
暗室に模様の異なる2つの画像が映し出され、正解の画面をタッチするとエサ箱に餌が落ちる仕組みです。ラットをこの装置に慣れさせるため2週間のトレーニングを行った後、エゾウコギ(ASH)投与群のラットにはエゾウコギエキス5%配合飼料を、対照群のラットにはエゾウコギエキスを含まない通常飼料を1週間投与して、30分間の試験を実施し、正解タッチ数、不正解タッチ数を測定し正解率を調べました。
図1.タッチスクリーン認識学習装置
ラット用タッチスクリーン認識学習装置を用いて、ラットに2種類の画像を見せ、正解画像にタッチすると報酬(エサ)が得られるという二画像弁別課題を実施しました。実施にあたり、タッチスクリーン課題の馴化を2週間行った後、30分間の試験を1日1回行いました。
 結   果
最初にエゾウコギ(ASH)を投与しない状態でタッチスクリーンの課題を実施したところ、SタイプとLタイプで学習行動に違いがあることが分かりました。はじめに、SタイプとLタイプの学習行動(30分の課題)について、前半10分、中10分、後半10分に分割して解析した結果を図2に示します。Sタイプでは、Lタイプと比べて最初から高い正解率を示しましたが、30分間の課題の中で後半10分における正解率が低下しました。不安を感じやすいSタイプでは、学習行動を長時間維持できないことが分かりました。一方、不安を感じにくいLタイプは、Sタイプと比べて正解率は低いものの、30分間の課題の中で後半になっても正解率が低下しませんでした。
図2.個性(Sタイプ・Lタイプ)による学習行動の違い
(30分間の課題を前半10分・中10分・後半10分に分けて解析)
数値は、平均±標準誤差を示す(n=7~8)。
1p<0.05、Lタイプとの比較。2p<0.05、Sタイプの前半10分間との比較。3p<0.05、Sタイプの中10分間との比較。
図3に、LタイプとSタイプラットの試験結果(30分トータルの結果)を示します。LタイプおよびSタイプとも、エゾウコギ投与群では対照群と比較して有意に正解率が増加しました。Lタイプでは、エゾウコギ投与群で不正解タッチ数が有意に低下しており、その結果、正解率が上昇しました。
次に30分間の課題を前半10分、中10分、後半10分に分割して解析した結果を図4(Lタイプ)、図5(Sタイプ)に示します。Lタイプラットにおいて、エゾウコギは対照群と比較して前半、中、後半10分とも不正解タッチ数を有意に低下させました。一方、Sタイプラットにおいて、エゾウコギは対照群との比較で後半10分における正解タッチ数と正解率の低下を有意に抑制しました。
エゾウコギは、不安低感受性Lタイプラットに対しては、不正解画像へのタッチ数を低下させ正解率の増加を誘導し、不安高感受性Sタイプラットに対しては、30分間の課題において後半のトライアル数と正解タッチ数の低下を抑制することで正解率の増加を誘導しました。
これらの結果から、エゾウコギは個性に対応した学習促進作用を有していることが示され、受験生の個性に寄り添った学習向上効果が期待されます。
図3.エゾウコギエキスのLタイプ・Sタイプに対する学習促進効果
数値は平均±標準誤差を示す(n=6~8)。
1p<0.05、Lタイプとの比較。2p<0.05、Lタイプ対照群との比較。3p<0.05、Sタイプ対照群との比較。

 

図4.エゾウコギエキスのLタイプに寄り添った学習促進効果
数値は、平均±標準誤差を示す(n=6~8)。1p<0.05、対照群との比較。

 

図5.エゾウコギエキスのSタイプに寄り添った学習促進効果
数値は、平均±標準誤差を示す(n=6~7)。
1p<0.05、対照群との比較。2p<0.05、対照群の前半10分との比較。3p<0.05、対照群の中10分との比較。

 詳   細 

学  会:
日本薬学会第142年会(名古屋)
タイトル:
不安・高感受性および低感受性ラットの学習行動に対するエゾウコギの効果
著  者:
藤川隆彦1,2、梶田隼大2、竹腰英夫3、星崎昌子3、及川弘崇2、筧大輝2、三宅 勇太朗2、牛田雅大2
所  属:
1.鈴鹿医療大院薬、2.鈴鹿医療大薬、3.サン・クロレラ

PDF版 1210KB

※この情報は、学術雑誌や学会において発表された内容の掲載であり、商品の販売促進を目的とするものではありません。

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