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健康素材の研究レポート 一覧

サン・クロレラ研究開発部が健康素材の試験や分析した結果を報告しています。

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【学術情報】

(株)サン・クロレラ研究開発部

「緑藻クロレラChlorella pyrenoidosa経口投与によるラット四塩化炭素誘発実験的肝障害に対する予防効果」が学術誌「薬理と治療 vol.47 no.7」に掲載

薬理と治療(月刊)第47巻 第7号 2019年7月20日発行 に掲載

研究目的
クロレラの肝障害予防効果は、ウイルス性肝炎の病態モデルであるD-ガラクトサミン(Gals)誘発肝障害ラットを対象とした「ラット肝障害に対する緑藻クロレラChlorella pyrenoidosaの予防効果」にて既に報告しています。今回は、四塩化炭素(CCl4)※誘発肝障害ラットモデルを対象にクロレラの肝障害の改善作用について検討しました。
試験方法
肝障害ラットはオリーブ油に溶解した25%CCl41.0mL/kg(CCl4として0.25mL/kg)を1日1回4日間皮下投与することで作製しました。実験群は対照群(オリーブ油のみ皮下投与)、CCl4処置対照群(CCl40.25mL/kgを皮下投与)、CCl4+クロレラ300mg/kg/日経口投与群、CCl4+クロレラ1200mg/kg/日経口投与群に5匹ずつ4群に分け、試験を実施しました。
クロレラは図1に示した実験スケジュールに従って、前投与4日間連日およびCCl4投与と同時に後投与4日間連日経口投与を行い、最終投与24時間後にGOT、GPT、過酸化脂質、中性脂肪を測定し、評価しました。
 結   果
図2にCCl4負荷による肝障害ラットのGOT、GPT活性に対するクロレラの効果を示します。
CCl4投与後に上昇したGOT、GPT活性は、クロレラ300mg/kg/日およびクロレラ1200mg/kg/日投与により有意に抑制されました。
図3にCCl4負荷による肝障害ラットの肝組織の過酸化脂質に対するクロレラの効果を示します。過酸化脂質は、チオバルビツール酸を用いるBuegeとAustの方法によって生成した、マロンジアルデヒド(MDA)で示しました。
結果は載せていませんが、CCl4投与により血清中の過酸化脂質は変動がなく、クロレラ投与においても変化は認められませんでした。一方、肝組織中の過酸化脂質はCCl4投与により有意に増加し、クロレラ投与によりほぼ対照群の値に回復するまで有意に減少しました。
図4にCCl4負荷による肝障害ラット肝組織の中性脂肪に対するクロレラの効果を示します。結果は載せていませんが、血清中の中性脂肪はCCl4投与により有意な減少を示しましたが、クロレラ投与によってもその減少はほとんど改善されませんでした。一方、肝組織中の中性脂肪はCCl4投与により有意に増加しましたが、その増加はクロレラ1200mg/kg/日投与により有意に抑制されました。
以上の結果から、クロレラは肝障害で高値を示すGOT活性、GPT活性を有意に抑制し、肝組織での過酸化脂質と中性脂肪の増加を抑制することがわかりました。

 

 

用語説明

*: 四塩化炭素(CCl4)
非常に強い肝毒性を持ち、マウスとラットを用いた動物試験で、肝細胞がんを誘発することがわかっている。

 詳   細 

掲 載 誌:
薬理と治療(月刊)第47巻 第7号 2019年7月20日発行
タイトル:
緑藻クロレラChlorella pyrenoidosa経口投与によるラット四塩化炭素誘発実験的肝障害に対する予防効果
著  者:
伊藤浩子1),藤島雅基2),奥村衣梨2),中田福佳3),伊藤均4)
所  属:
1)三重大学大学院生物資源学部 海洋生物化学研究室 2)株式会社サン・クロレラ 生産開発部 3)パワフル健康食品株式会社 4)菌類薬理研究所

PDF版 590KB

※この情報は、学術雑誌や学会において発表された内容の掲載であり、商品の販売促進を目的とするものではありません。

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