健康食品を科学的に考察する情報サイト

サン・クロレラ 研究サイトSUNCHLORELLA LAB

健康食品を科学的に考察する情報サイト

健康素材の研究レポート 一覧

サン・クロレラ研究開発部が健康素材の試験や分析した結果を報告しています。

健康素材の研究レポート 一覧

【学術情報】

(株)サン・クロレラ研究開発部

「クロレラ摂取と葉酸代謝-健常男性を対象にした半年間の二重盲検ランダム化比較試験からの知見-」を第2回 クロレラ・機能性植物研究会研究集会にて発表

第2回 クロレラ・機能性植物研究会研究集会 にて発表

研究目的
ホモシステイン(THCY)の代謝は3つの経路があり、内1つは5-メチルテトラヒドロ葉酸と補酵素にビタミンB12を必要とします。クロレラは100g当り葉酸を1,400μg、ビタミンB12を230μg含みます。これまで我々は1日当たりクロレラを6~8g摂取することで、葉酸とビタミンB12が血中で増加しTHCYが低下することを報告してきました。しかし、プラセボを設定し葉酸関連遺伝子を網羅的に検討した例はありません。
そこで、半年間の二重盲検ランダム化比較試験を実施し、血中の葉酸とTHCYの変化を指標にマイクロアレイで葉酸関連遺伝子の変化を検討しました。
試験方法
40歳以上55歳未満の男性をランダムに2群 (30名/群) に分け、クロレラ錠剤またはクロレラを含まないプラセボ錠剤を6ヵ月間毎日8g摂取させました。試験開始時より3ヵ月おきに採血し葉酸および血漿THCYとマイクロアレイで葉酸関連遺伝子の発現を解析しました。なお、葉酸関連遺伝子は解析時にPubMed GeneでFolateとHomo sapiensで検索し示される156遺伝子を対象にしました。
結 果
試験食品に起因する有害事象は認められませんでした。クロレラ群で葉酸が3ヵ月目に有意(P = .025)に上昇後、試験終了まで濃度を維持し、その増加量は約2.1倍でした。更に、クロレラ群でTHCYが3ヵ月目で有意 (P = .023)に低下し、試験終了まで低下を維持しました。(図1)そして、試験開始時に葉酸が低値、THCYが高値の被験者(クロレラ反応群)でSLC46A1*の発現上昇が大きいだけでなく、SLC46A1の量に関与が示唆されるビタミンDの受容体であるVDR*の発現が大きいことが示されました。(図2)
以上の結果からクロレラ摂取は葉酸の供給源となるだけでなく、その代謝に関わる遺伝子の発現量が増加することが示されました。また、血中の葉酸とTHCYの状態によりクロレラに対する反応性が異なる事が示唆されました。

 

用語説明

*: SLC46A1
小腸から葉酸を吸収する葉酸輸送体で、SLC46A1遺伝子の変異は生まれつき葉酸の吸収が出来ないことが知られています。
*: VDR
細胞核内でDNAの転写を調整する受容体で、ビタミンDの結合でDNAの転写を調整します。

 詳   細 

学  会:
第2回 クロレラ・機能性植物研究会研究集会
タイトル:
クロレラ摂取と葉酸代謝-健常男性を対象にした半年間の二重盲検ランダム化比較試験からの知見-
著  者:
藤島雅基,奥村衣梨,溝口亨,久保田仁志,竹腰英夫
所  属:
株式会社サン・クロレラ

PDF版 728KB

※この情報は、学術雑誌や学会において発表された内容の掲載であり、商品の販売促進を目的とするものではありません。

  • Google Bookmarks Google Bookmarks
  • はてなブックマーク はてなブックマーク