「エゾウコギは自律神経調節および海馬BDNFシグナル伝達系の活性化を介して抗不安作用を発揮する」が学術誌「 Molecules」(2017インパクトファクター:3.098)に掲載されました。 | 研究レポート

健康素材の研究レポート 一覧

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【学術情報】

(株)サン・クロレラ研究開発部

「エゾウコギは自律神経調節および海馬BDNFシグナル伝達系の活性化を介して抗不安作用を発揮する」が学術誌「 Molecules」(2017インパクトファクター:3.098)に掲載されました。

Molecules 24(1), 2019 に掲載

研究目的
エゾウコギが抗不安作用や抗ストレス作用を有することは、これまでいくつかの報告がありますが、それらの作用が、どのようなメカニズムによるのかについては報告が少なく、エゾウコギの抗不安作用について、そのメカニズムも含めて詳細に検討しました。
試験方法
1)新奇環境テスト
新奇の環境では、不安のためエサを与えても食べ始めるまでに時間が長くかかることが知られています。雄SDラットを普段飼育しているケージ(ホームケージ)から、側面と底面を暗幕で覆った別のケージ(新奇ケージ)に移し、エサを食べ始めるまでの時間を計測し、あわせて自律神経の働き(交感神経と副交感神経の活動)をラットに生体電位送信機を取り付けて測定しました。エゾウコギは、エゾウコギエキスをエサに混合し、テスト前の1週間摂取させました。
2)高架行動テスト
高架(高さ190cm、幅8cm、長さ140cm、一方の端にクローズドアーム(三面が壁で覆われた安全な部屋)を設置)上のもう一方の壁がないオープンアームにラットを置くと、不安や恐怖のため、ラットはすぐに安全な室内に移動します。雄SDラットを高架上オープンアームに置き、安全なクローズドアームに入るまでのオープンアーム滞在時間と自律神経の働きを測定しました。さらに、高架行動テスト後、海馬におけるBDNF(脳由来神経栄養因子)とBDNFの受容体であるTrkB(高親和性BDNF受容体)の発現量を測定しました。エゾウコギは、エゾウコギエキスをエサに混合し、テスト前の1週間摂取させました。
 結   果
1)新奇環境テスト
対照群ラットでは、ホームケージから新奇ケージに移すとエサを食べ始めるまでの時間が顕著に延長しましたが、エゾウコギ 1%および 5%配合飼料投与群では、ホームケージ滞在時より延長したものの、対照群との比較ではエサを食べ始めるまでの時間が有意に短縮しました(図 1)。また、自律神経活動は、新奇ケージにおいてエゾウコギ投与群では対照群と比較して交感神経活動が有意に低下し、副交感神経活動が有意に増加しました(図 1)。
2)高架行動テスト
エゾウコギ投与群では、オープンアーム上での滞在時間が対照群ラットと比較して有意に延長しました(図 2)。また、自律神経活動は、対照群は高架上ではホームケージ滞在時に比べ交感神経活動が有意に上昇し、副交感神経活動が有意に低下しましたが、エゾウコギ投与群では対照群でみられた交感神経活動の上昇や副交感神経活動の低下が有意に抑制されました(図 3)。さらに、エゾウコギ投与群では、対照群と比較して海馬における BDNF およびTrkB 発現量の増加が認められました(図 4)。
以上の結果から、エゾウコギの有する抗不安作用は、自律神経機能の調節と海馬におけるBDNF シグナル伝達系の活性化によるものであることが示唆されました。

用語説明

*:LFnu
心電図の周波数解析から求められる交感神経活動の指標。不安や恐怖などのストレスにより数値が上昇する。
*:HFnu
心電図の周波数解析から求められる副交感神経活動の指標。不安や恐怖などのストレスにより数値が低下する。
*:BDNF
脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor)、神経細胞の発生や成長、維持、修復に働き、さらに学習・記憶、情動などにおいても重要な働きをする分泌タンパク質。近年、BDNF が、うつ病やアルツハイマー病の患者、不安状態等の状況下で脳、主として海馬、大脳皮質で減少していることが確認されている。
*:TrkB
高親和性 BDNF 受容体、BDNF は TrkB を介して、様々な生理機能を発揮する。

 詳   細 

掲 載 誌:
Molecules 24(1), 2019
タイトル:
Anxiolytic Effects of Acanthopanax senticosus HARMS Occur via Regulation of Autonomic Function and Activate Hippocampal BDNF-TrkB Signaling
(邦訳:エゾウコギは自律神経調節および海馬BDNFシグナル伝達系の活性化を介して抗不安作用を発揮する)
著  者:
Shouhei Miyazaki1 , Hirotaka Oikawa2 , Hideo Takekoshi3 , Masako Hoshizaki3 , Masato Ogata4 , Takahiko Fujikawa1,2,4
所  属:
1Laboratory of Molecular Prophylaxis and Pharmacology, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Suzuka University of Medical Science, 2 Faculty of Pharmaceutical Sciences, Suzuka University of Medical science, 3 Sun Chlorella Corp., 4Mie University Graduate School of Medicine

PDF版 475KB

※この情報は、学術雑誌や学会において発表された内容の掲載であり、商品の販売促進を目的とするものではありません。

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