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公開日:2013-03-18

葉酸とビタミンB12が統合失調症の症状を緩和する

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抗精神病薬の服用者に、葉酸とビタミンB12のサプリメントを与えることで、統合失調症の患者の症状が改善した、という140名の患者を対象とした米国マサチューセッツ総合病院の臨床試験の報告が『JAMA精神医学』誌に発表された。

患者はランダムに2群に分けられ、介入群は葉酸とビタミンB12のサプリメント、対照群はプラセボ(偽薬)を16週間にわたって投与された。2週間ごとに症状がチェックされ、同時に血中葉酸濃度、ホモシステイン濃度が測定された。また葉酸代謝経路の酵素に遺伝子変異があるかどうかも調べられた。

ビタミンEは、がん細胞に吸収されると、その部位において、Aktの活性化を抑えるために、Aktともうひとつ別のたんぱく質(PHLPP1)を引き寄せる。そこは脂質に富む細胞膜領域である。PHLPP1は、腫瘍抑制因子として知られるもので、化学反応をおこしてAktを不活性化するので最終的にがん細胞は死に至る。

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1366878314 その結果、サプリメントの投与を受けた患者では、ネガティブな症状の改善が見られたものの、その結果は統計的に有意ではなかったという。しかし、遺伝子変異と2種類の栄養素の摂取量を考慮して調整すると有意差がみられるようになった。

この原因は、主に患者の遺伝子変異にあったという。葉酸の生合成に関与するFOLH1と呼ばれる遺伝子の機能が低い変異体を持つ患者では、サプリメントを飲む前の葉酸の血中濃度が極端に低かったために、サプリメントを飲んでも有意な効果が見られなかったようだ。サプリメントによって血中葉酸濃度は高まり最終的にはそれ以外の遺伝子変異を持つ患者と同じレベルに達したが、それが有効な効果として現れるためには16週間は短すぎたようだと研究者らはコメントしている。

出典は『JAMA精神医学』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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