公開日:2013-03-22
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仕事におけるストレスが原因で心身に支障をきたす「燃え尽き症候群」が、独立して心臓血管疾患リスクになるとする研究結果が『精神身体医学』誌に報告された。
調査はイスラエルにあるテルアビブソーラスキー医療センターの定期検診受診者である19-67歳の8,838人の男女を対象として平均3.4年追跡調査された。
調査開始時点における対象者の燃え尽き度合いは、「シーロム-メラメド燃え尽き度指標」を用いて点数化された。その後、急性心筋梗塞・虚血性心疾患・狭心症といった心血管疾患の発症が追跡調査され、燃え尽き度合いとの関係が調べられた。 |
追跡期間中に93例の心血管疾患がみられた。年齢、性別、家族歴、喫煙といった交絡因子を調整して解析した結果、燃え尽きの傾向がある者は、ない者に比べて41%も心血管疾患リスクが高いことが明らかになった。特に燃え尽き度指標が高かった上位2割の人々は、79%も心血管疾患の発症リスクが高まっていたという。
研究者は、仕事における燃え尽き症候群は、それだけで心臓疾患リスクになるようだと考察している。より長期にわたる追跡期間を経れば、もっとこの関係がはっきりと示されるだろうと予測している。また、研究では燃え尽き度と、肥満や不眠、不安障害との関係も示唆されているという。
人生における仕事のストレスの影響が、如実に示された研究といえよう。 |
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