公開日:2020-05-15
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新型コロナウィルス感染症(COVID-19)とは粘り強く戦い続けることになりそうです。今回は、栄養と感染予防との関係を考えたいと思います。風邪のひきやすさは運動習慣だけで決まるのではありません。食事も感染予防に重要です。
私たちは、某大学(流通経済大学ではありません)の剣道部にお邪魔して、強化練習期間に唾液を収集するという研究を行いました。メトロノームに合わせて脱脂綿をかんでもらい、唾液を収集・分析するのです。強化練習期間は、唾液の量が減り、抗体も減っていました。細菌やウィルスにとって、唾液は人体内への侵入を妨げる物理的なバリアですし、抗体は攻撃をしかけてくる天敵です。
つまり、唾液や抗体が減っているということは、感染リスクが高まった状態だと言えます。この剣道部は全国大会の常連で、普段から厳しい稽古をつんでいますが、それでも、強化練習期間にはこの様なことが起こるのです。私たちの研究以外にも、マラソン大会の後は風邪をひく人が増えるという研究など、疲労が感染リスクを高めることは良く知られています。 |
実は、私たちがこの研究で調べたかったのは、疲労の影響ではなく、どうすれば疲労による免疫力の低下防げるか、ということです。そのために、学生を2班に分け、強化練習の1カ月前から、A班は偽薬を、B班はサプリメントを飲んでもらいました。
試したのは各種の栄養素(アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど)を少量ずつ、しかし多様に含んでおり「ベーシックサプリメント」、「総合栄養サプリメント」などと呼ばれるサプリメントです。この研究では、藻類の一種であるクロレラのピレノイドサ種を原料にしたものを用いました。そうしますと、偽薬を飲んだA班では唾液と抗体が減りましたが、サプリメントを飲んだB班では唾液も抗体も減りませんでした。
強化練習のように疲労が著しい時にも、栄養に気を配ることで感染を予防できるということです。あるいは、疲れた時こそしっかり食べるべき、と言うべきでしょうか。 |
疲労だけでなく、加齢やストレスも免疫力を下げる要素です。COVID-19が猛威をふるう今こそ、積極的に食べて、感染予防に努めたいですね。ちなみに私は、毎朝、妻子のために朝食をつくりますが、味噌汁にできるだけ多種類の食品を入れること、人参や大根は皮をむかないこと、魚は皮も食べること、果物・乳製品を欠かさないこと、を心がけてます。
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