公開日:2022-07-28
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米国シダーズ・サイナイ医療センターの研究チームは、2020年と2021年の有害飲酒(アルコール使用障害)による死亡率が、新型コロナウイルス発生以前に比べて20%以上上昇したことを発見した、と『JAMAネットワークオープン』誌に発表した。
有害飲酒による死亡はパンデミック中に劇的に増加し、とりわけ、若年成人(25-44歳)の死亡率が最も急激に上昇した、と研究チームは述べている。
今回研究チームは、新型コロナ前のデータを用いて統計モデルで予測された死亡率を、実際の死亡率と比較した。その結果、パンデミック中の有害飲酒による死亡率は、すべての年齢層と性別で、新型コロナ前に比べて増加していることが明らかになったという。 |
「新型コロナ流行の初めの数か月に、私たちはICUに運ばれてくる急性アルコール中毒患者が急増するのを目の当たりにしました」と筆頭著者のイー・フイ・イェオ医師は語っている。「私たちはまた有害飲酒による肝疾患などの合併症が増えている事にも気づきました。それで、これが重大な公衆衛生上の危機であることに気がついたのです。」
研究チームは米国疾病対策センター(CDC)から2012-2019年の死亡率データを入手した。そして、統計モデルを使用して同様の傾向が続いた場合に予想される2020年と2021年の予測死亡率を算出し、観察された実際の死亡率と比較した。
「私たちの分析結果は、私たちが現場でみていたものを反映していました」とイェオ医師は語っている。
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「私たちは、この研究で、すべての人、特に最前線の政策立案者や医師の方々に、新型コロナにおける有害飲酒で、死亡率がほんとうに顕著に増大したということを知っていただきたいのです」とイェオ医師は語っている。
「また、有害飲酒で死亡した患者の多くが、社会経済的地位の低下といった、健康を損なう社会的要因をもっており、それは医療や支援へのアクセスを困難にする可能性があったことを認識することが重要です。誰もがフォローアップケアを受けられるようになることが望ましいと思います」
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