公開日:2019-01-28
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肉を食べない一流アスリートは多く、テニスチャンピオンのビーナス・ウィリアムズからF1レーサーのルイス・ハミルトン、NFLテネシー・タイタンズのダーリック・モーガンに至るまで、みな素晴らしい成績を残しており、植物性食品しか食べないベジタリアン・ダイエットのパワーを証明している。
今回、米国ワシントンDCにあるバーナード医療センターの研究チームは、学術雑誌『栄養素』誌に、植物性食品がアスリートの心臓を強化し、持久力や回復力を高めるというエビデンスをまとめた最新レビューを発表した。
「次から次へと、優秀なアスリートがベジタリアン・ダイエットに惹きつけられていくのは不思議でもなんでもありません」と共同研究者のジェームス・ルーミス医師は語っている。「日々のジョギングでも鉄人トライアスロンでも、植物性食品を基本とした食事は、アスリートのパフォーマンスと回復力を改善する強力なツールになるからです。」 |
ルーミス医師は、現在鉄人トライアスロンのトレーニングをしており、2019年に放送されるベジタリアン・アスリートのドキュメンタリー番組に出演する予定だ。彼は、NFLのセントルイス・ラムズと大リーグのセントルイス・カージナルスのチーム・ドクターでもある。
植物性食品を基本とした食事は、心血管系の健康維持において鍵となることが知られているので、持久系アスリートには特に重要であるが、良く訓練されたアスリートでも心疾患のリスクは高い傾向にある。2017年の研究では、中高年の持久系サイクリストまたはランナーの44%が冠動脈プラークを持つことが報告されている。
低脂肪のベジタリアン・ダイエットは、プラークを軽減する最も効果的な食事パターンのひとつであることが臨床的に証明されており、植物性食品を基本とした食事は、脂質異常症や高血圧、肥満、糖尿病などの他の動脈硬化のリスク因子の改善にも有効である。
植物性食品を基本とする食事は通常、高炭水化物になり易いため、競技パフォーマンスの面でも有利であるという。炭水化物は、有酸素運動時の主要なエネルギー源であり、持久力は高炭水化物食の摂取で促進される。ただ、2016年の鉄人トライアスロンを対象にした研究では、1日に1-3時間をトレーニングに費やすアスリートでも、推奨される量の炭水化物を摂取している者は半数以下だったという。 植物性食品を基本とする食事は、血流量と組織の酸素化レベルを押し上げ、酸化ストレスと炎症を抑えることによってアスリートのパフォーマンスと回復力を高めることも、研究チームは発見した。果物、野菜、穀物、豆を豊富に含んだ食事にビタミンB12サプリメントを加えれば、持久系アスリートが必要な全ての栄養素(たんぱく質、カルシウム、鉄を含む)が供給できる。 |
「他の持久系アスリートと同じように、ベジタリアンのアスリートも一般の人より多くのカロリーを必要としています」と共同研究者でスポーツ栄養学のスペシャリストであるスーザン・レヴィン博士は述べている。「栄養素の詰まった種々の果物、野菜、穀物、豆類を食べていれば、全ての栄養要求量を満たすのは容易いことでしょう。」
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