公開日:2025-06-30
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野菜は身体に良いからと、小さい頃お母さんから言われた人は多いだろう。お母さんは間違っていなかったようだ。低脂肪のビーガン(厳密菜食主義)食は、体重を減らすだけでなく、ホットフラッシュも減らせることが明らかになった。しかも、それは、身体に良くないと言われている超加工食品であってもかまわないのだという。この研究結果は、米国更年期学会の『Menopause』誌に発表された。
先行研究では、低脂肪ビーガン食、とりわけ大豆を補給した食事には、体重とホットフラッシュを低減させる効果があることが示されている。また、超加工食品が多い食事は、加工食品を最低限しか含まない食事に比べて、摂取カロリーを増やし、体重も増やすことが示されている。これは、超加工食品にはエネルギー密度の高い(大きさに比してカロリーをより多く含む)食品が多いためである。超加工食品はまた、添加糖や不健康な脂肪、塩分も多く含まれ、逆に食物繊維やその他の必須栄養素は少ない。 | ![]() |
今回研究チームは、既に発表されていたデータの二次分析を行って、食品が動物性食品か植物性食品かによって、超加工食品の摂取と、体重およびホットフラッシュの重症度への影響に違いがあるかどうかを検証した。閉経後の参加者(84名、40-65歳)は、大豆を補給した低脂肪ビーガン食群と、肉を含む通常食の対照群に無作為に割り付けられた。両群は、ベースラインにおけるホットフラッシュの回数と重症度において同等だった。
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食事を12週間継続した後、低脂肪ビーガン食群では、重度のホットフラッシュの発症頻度が92%低下したが、対照群では変化がなかった。体重も、ビーガン群では平均3.6kg低下したが、対照群では0.2kgにとどまった。
さらに重要なことは、これらの変化に超加工食品が多いかどうかは関係がなかったということだ、と研究者らは指摘している。最も重要だったのは、食品が動物性食品か植物性食品かということであり、それが超加工食品か最低限の加工食品かどうかということはなかったのである。この結果は、更年期女性に対する食事勧告の策定に重要な意味をもつだろう、と研究者らは述べている。 |
「この研究は、大豆を豊富に含むプラントベースの食品が、加工度に関わらずホットフラッシュと体重管理の両面で潜在的なプラス効果をもたらすことを明らかにしたものです。これらの効果に加え、心臓病やがんのリスク低下といった既知の効果も考慮すると、中年女性はプラントベース食品中心の食生活への移行を検討するべきです」と研究者はコメントしている。
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