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2020-06-10

集中力は、飽和脂肪の多い一回の食事で低下

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肉や乳製品に多く含まれる飽和脂肪は、一回食べるだけで集中力を低下させる悪影響があるようだ、という米国オハイオ州立大学からの研究が発表された。

研究チームは、51名の女性を対象に、(1)飽和脂肪の多い食事と、(2)不飽和脂肪の多いヒマワリ油の食事(油だけが異なる)を食べた後の集中力の変化を測定した。その手順は以下のようなものであった。

参加女性は、朝、研究室を訪問して、「集中力」の検査を受けた。これはコンピュータを使った10分間の検査で、集中力の高さとそれがどれくらい持続するかを測定するものだった。

次に参加女性はランダムに2種類のメニューのいずれかに振り分けられ、それを食べた。そして食事から5時間後に、再び「集中力」の検査を受けた。

2種類のメニューはどちらも、タマゴ、ビスケット、ターキーソーセージ、グレービーで構成され、60gの脂肪を含んでおり、(1)はパルミチン酸をベースにした飽和脂肪の多い油で、(2)は飽和脂肪の少ないヒマワリ油で調製されていた。どちらのメニューも、930kcalのエネルギーを含んでおり、ファストフード店で特大バーガーにフライドポテトを付けたメニューを意識して構成されていた。

さらに参加女性は、1-4週間の期間をおいてから、前回とは逆のメニューでもう一度同じ実験を繰り返した。そうすることによって、同じ女性の異なる食事に対する反応の違いがわかり、データをより信頼性の高いものにすることが可能になったという。

実験の結果、(1)飽和脂肪の多い食事を食べた女性は、(2)ヒマワリ油の食事を食べた女性に比べて、集中力が平均11%多く低下したことが明らかになった。なにを食べるかで、頭の働き方が変わるとは良く言われることだが、それが実際に証明されたというわけである。

「これまでの研究の大部分は、習慣的な食生活が対象者にどのような影響を及ぼしていくかを調べていました。でも私たちの研究は、たった一回の食事がどのような影響を持つかを調べるもので、これは大きな違いです」と筆頭研究者のアンライズ・マジソンは述べている。

今回の研究の限界として、マジソンは、(2)ヒマワリ油で調理した食事も、飽和脂肪は少ないものの、依然として多くの脂肪を含んでいることを指摘している。

「というのは、どちらの食事も高脂肪という意味では問題の多い食事だからです。もし、これが低脂肪食との比較だったら、飽和脂肪の多い食事による集中力の低下は、もっとずっと大きかったかもしれません。」

研究チームは、その原因の一端を探るために、参加女性のいわゆる「リーキーガット(腸管壁浸漏)」を測定した。これは腸管壁に問題が起きて腸内細菌が血液中に入り込む現象である。その結果は意外なもので、リーキーガットが重度の女性では、どちらの食事を摂ったかに関係なく、食事後の集中力の低下がひどかったという。

「リーキーガットがひどい女性では、食事による違いはみられませんでした。何を食べるかには関係なく、食後の集中力の低下が大きかったのです」とマジソンは述べている。

今回の研究では、脳内で具体的になにが起きているかはわからないが、マジソンは、飽和脂肪の多い食事が全身の炎症反応を促進しそれが脳にも及ぶという先行研究がある、と指摘している。脂肪酸はまた血液脳関門を通じて、脳に直接入り込む可能性もある。

「脂肪酸が脳で直接的に相互作用を起こしている可能性もあります」とマジソンは言う。

今回の実験では、食事のわずか5時間後の影響を調べるので、それ以前の食事の影響が強く出ることが懸念される。そこで研究チームは、参加女性には、前日の3食を提供し、また研究室に来る前の12時間は絶食してもらって、ばらつきを減らそうとしている。また統計解析においては、不安やうつ傾向の影響や参加者の普段の平均的な飽和脂肪の摂取量も考慮されている。

今回の研究結果は、COVID-19パンデミックで強いストレス下に置かれた人々が、飽和脂肪の多いファストフードなどによって、さらに集中力を低下させる可能性があることを示唆しており、充分な注意が必要だと、研究チームはまとめている。

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