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2020-09-18

肉・乳製品を少し摂っても、植物中心の食事法なら血圧は下がります

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植物性食品を基本とした食生活は、血圧を下げ、それは、少量の肉や乳製品を摂取しても変わらないようだ、という英国ウォーリック大学の研究結果が発表された。

研究チームは、8,416人の対象者を含む41件の先行研究のメタ分析をして、植物中心の食事法7種類の血圧降下効果を検証した。食事法には、DASH食、地中海食、北欧食、高食物繊維食などが含まれていた。細かな違いはあるが、いずれも、果物、野菜、全粒穀物、豆類、ナッツ、種子などの植物性食品を基本とし、すべての動物性食品(特に肉と乳製品)の摂取が制限された食事法である。

解析の結果、これら植物性食品中心の食事法の大部分に血圧低下効果がみられることが明らかになった。なかでも、DASH食の効果が最も高く、通常の食事と比べて、最高血圧と最低血圧を平均して8.74と6.05 mmHg下げる効果が観察されたという。

高血圧は、世界中で心筋梗塞や脳卒中、その他の心血管疾患の主要なリスク因子である。血圧を下げることは、個人にとっても社会にとっても重要な健康利益がある。不健康な食生活は、喫煙と飲酒を合わせたよりも多くの死と障害をもたらす。全粒穀物、野菜、ナッツと種子、そして果物の摂取によって、毎年200万から400万の命が救われているという。

動物性食品を全く食べないベジタリアン(菜食主義)やビーガン(厳密菜食主義)の食事法が、血圧低下に有効であることはわかっていたが、動物性食品の完全な排除が絶対に必要かどうかは、はっきりとはわかっていなかった。

「植物中心の食事法によって達成可能なこのレベルの血圧低下でも、脳卒中を14%、心筋梗塞を9%、全体の死亡率を7%減らす効果があります。今回の知見は、動物性食品を完全に排除する必要はないことを示した顕著な知見です。要するに、植物中心の食事を指向するどのような変化も健康には良いことなのです」と筆頭著者でウォーリック大学生命科学部の大学院生であるジョシュア・ギブスは語っている。

「植物中心の食事パターンを順守することは、グローバルな食糧の持続可能性と安全保障にとっても重要です。それによって、人間が利用する土地面積を減らし、水資源を節約し、温暖化ガスの排出を減らすことができます」と主任著者のフランセスコ・カプッチオ教授は語っている。

教授によれば、本研究は、植物中心の食事法の有効性を示しているが、現実の生活に応用するとき、様々な障壁が立ちはだかることが予想されるだろうという。たとえば、植物中心の食事法はお金がかかるので、経済状態の影響を受けるだろう。また、どれほど有益だと思えるか、困難だと感じるかには個人差がある。全く美味しさを感じなければ続けるのは困難である。さらに、変化に対する抵抗の強さや年齢、健康状態の問題もある。

「植物中心の食事法を推進するためには、植物性食品の利用可能性と価格の改善、食糧生産の持続可能性に関する政策の変更といった多くの変革を成し遂げる必要があるのです」とカプッチオ教授はコメントしている。

出典は『高血圧雑誌』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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