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2020-07-21

失恋の記憶が、感情的な女性の食欲を刺激する

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感情的に食べる傾向が強い女性は、ネガティブな感情をかきたてられると食欲を刺激され、やけ食いにはしる傾向が高いようだ、という墺ザルツブルク大学の研究結果が発表された。

生きるため、楽しむため、満足するためなど、食べることには様々な機能があるが、ストレスに対処することもそのひとつである。だが、失恋のあとのやけ食いを、恋愛映画の定番だといって笑っているわけにはいかない。それが一過性に済まないときは、拒食症や過食症などの摂食障害につながる可能性もあるからだ。それでなくても、ストレスで太ったという話はよく聞く。

「健康的な体重であっても、感情的な過食は問題です」と本研究を実施したレベッカ・シュネッパーは述べている。

だが、どんな人が感情的な過食にはしり易いのかは、実はよくわかっていなかったという。これまでの研究報告では、どのような食べ方の性格特性が、ネガティブな感情への反応として過食をもたらすのか、複数の矛盾する仮説が提出されていたからだ。

そこで今回、研究チームは、感情的に食べる人(負の感情を抑えるのに食事にはしるタイプ)と節制して食べる人(きちんと計画された食事を摂るタイプ)が、感情を揺さぶられた時に、提示された食品画像に対して食欲を変化させるかどうかを調べる実験を行うことにした。

実験は、ザルツブルグ大学の女子学生で普通体重の80人(平均年齢21.9歳)を対象に行われた。参加者はまず、普段の摂食行動などについて事前にアンケート調査され、感情的に食べる傾向が測定された。

次に、研究チームは、参加者から中立的あるいはネガティブな感情応答を引き出すために、いくつかの文章を朗読した。ネガティブな文章としては、事前調査で聞いた参加者の感情に訴えかけるような最近の出来事について書かれたものが選ばれた。中立的な文章は、参加者が歯を磨くことまたは通学・通勤することについて書かれていた。

それを聞いた後で、参加者は、食欲をそそる食品と中立的な品物の映像を見せられ、画像が与える快適さや(食品については)それを食べたい気持ちを点数で評価した。同時に、筋電計による表情の変化、脳波計による脳の活動といった客観的なデータを記録して気持ちの裏付けをとった。

実験の結果、研究チームは、感情的に食べるタイプの人がネガティブな感情を経験するときに、より強い食欲を感じ、食べることをより楽しく感じることを発見したという。節制して食べるタイプの人は、ネガティブな感情を経験すると、より注意深く食品に向き合うようになり、食欲は感情の状態には左右されなかった。

「女性はもともと摂食障害のリスクが男性より高いので、私たちの研究結果はコントロールされた厳密な実験条件において実施されたものですが、男性に当てはまるかどうかを言うことはできません。同様に長期にわたる食行動についても不明です」とシュネッパーは述べている。「とはいえ、この研究は、感情的な過食についての理解を深め、摂食障害の早期発見と治療の助けになることでしょう。」

出典は『行動神経科学の最前線

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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