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2021-10-21

人工甘味料は腸内細菌の相互通信を妨害する?

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一般に使われる人工甘味料には、細菌間のコミュニケーションを妨害し腸内細菌叢に悪影響をもたらす可能性があるようだ、という研究結果が、『国際分子科学雑誌』に発表された。

多くの食品や飲料で、人工甘味料の使用が増加しているという。けれども、その長期的な健康影響については、明確な結論は出ておらず、疑問を呈する科学者も少なからずいるのが現状だ。

今回、イスラエル・ベングリオン大学のアリエル・クシュマロ教授とカリーナ・ゴルベルク博士らによる研究チームは、米国医薬品食品局(FDA)が許可している6種類の人工甘味料を検証し、それらがクオラムセンシングと呼ばれる細菌間のコミュニケーションを妨害することを発見した。

もっとも、これらの人工甘味料が腸内細菌を殺すことはなかった。けれども、6種類のうち3種類は細菌間のコミュニケーションを特に強く妨害したという。研究チームでは、それが消化器系疾患や腸の不快感につながる可能性があるとみている。

クオラムセンシングとは、同種の他の細菌が生産して放出したシグナル物質の濃度を感知することで、その環境における菌密度(細菌数)を感知し、それによって遺伝子発現を調節する仕組みのことである。

「細菌がクオラムセンシングを使って互いにコミュニケートするという事実は我々の理解に革命をもたらし、より明確な回答へと導いてくれるものです。人工甘味料がそのコミュニケーションを妨害するということは、人工甘味料を長期にわたって使用することには問題があるかもしれないということを示しています」と筆頭研究者のグルベルク博士は語っている。

研究チームは、細菌に生物発光を利用した標識をほどこして顕微鏡で発光が観察されるようにし、細菌間のコミュニケーション(クオラムセンシング)が途絶えると、発光が減少してわかるような実験系を組み立てた。そして、人工甘味料が含まれる市販のスポーツ飲料の影響を検討した。

さらに、それぞれのスポーツ飲料に含まれていた人工甘味料を同定して、その精製された標品を用いて同様に検証した。スポーツ飲料に含まれていた人工甘味料は、アスパルテーム、サッカリン、スクラロース、アセスルファムカリウム(Ace-K)、アドバンテーム、およびネオテームの6種類だった。

実験の結果、調べたスポーツ飲料のすべてが、細菌間のコミュニケーション(クオラムセンシング)を妨害することがわかったという。スポーツ飲料には複数の成分が含まれているので、精製標品を用いてそれぞれの人工甘味料について調べたところ、アスパルテーム、スクラロース、サッカリンの3つが、特に細菌のコミュニケーションを著しく阻害することが明らかになった。

「スポーツ飲料製品に含まれる人工甘味料については正確なラベル付けがなされていないことがほとんどなので、一般の使用者が各製品に含まれる量を知ることは困難です。私たちの研究結果は、食品業界に人工甘味料の使用を再評価するよう促すものになるでしょう」とクシュマロ教授はコメントしている。

出典は『国際分子科学雑誌

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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