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2019-06-26

エナジー飲料に心機能異常や血圧上昇のリスクの恐れ

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健康な成人を対象に、60分以内に900mlのエナジー飲料を摂取してもらったところ、血圧が上がり、不整脈につながる恐れのある心電図の異常が現れた、という米国パシフィック大学の研究結果が発表された。

研究チームは、18歳から40歳の健康な成人34名を対象に介入実験を行った。参加者には、3つの飲料(2種類の市販カフェイン入りエナジー飲料またはプラセボ(偽薬)飲料)をランダムな順番で、1日1種類、計3日かけて飲んでもらった。飲料は、全量を60分以内に、けれども最初の30分以内に半分以上は飲まないように指示された。参加者は、摂取開始から終了後4時間まで30分ごとに、血圧と心電図を測定された。

2種類のエナジー飲料には、それぞれ900mlの中に304㎎と320㎎のカフェインが含まれていたが、一般に、400㎎以下のカフェイン摂取は心電図に影響を及ぼすことはないとされている。エナジー飲料にはカフェインの他にも、アミノ酸の一種であるタウリンと、植物や結合組織に含まれるグルクロノラクトン、ビタミンB類が含まれていた。対照であるプラセボ飲料には炭酸水、ライム果汁、チェリー香料が含まれていた(カフェインやタウリンなどは含まれなかった)。

実験の結果、参加者がエナジー飲料を飲んだ後には、プラセボ摂取後に比べて、心電図のQT時間が延長することが明らかになった。摂取後4時間の時点で、一方のエナジー飲料で6ミリ秒、もう一方では7.7ミリ秒の遅延が観察されたという。QT時間というのは、心室が収縮後に再び脈打つ準備をするための時間であり、この時間が長すぎても短すぎても心拍の異常につながる可能性が高い。その結果起こる心不全には生命の危険性さえある。

この結果は、先行研究の知見を裏付けるものであり、エナジー飲料を摂取するとQT時間の延長が4時間以上にわたって持続することを示唆している。

さらに研究チームは、エナジー飲料の摂取によって最高血圧と最低血圧がいずれも4-5mmHg上昇することを確認した。これは統計的に有意な値だったという。

「私たちは、エナジー飲料の摂取と、QT時間の延長、血圧の上昇の間に、カフェインが原因とは考えにくい関連を発見しました。2種類の市販エナジー飲料のどちらにも効果がみられたことから、カフェイン以外のエナジー飲料に一般的な添加物の単独での、もしくは組み合わせによる影響が考えられます」と筆頭研究者のサッチン・サー教授は述べている。

本研究は、若い健康な成人を対象としてエナジー飲料の心臓と血圧への影響をみた介入研究としては過去最大規模のものであるという。米国では12-17歳のティーンの30%が日常的にエナジー飲料を摂取していると推定されている。またその結果、救急搬送や死亡リスクが高まっているともいわれている。

「エナジー飲料は多くの若者にとって、きわめて容易に入手でき日常的に摂取できる飲料であることを考えると、その心臓への影響をきちんと理解することは極めて重要だと言わざるを得ません」と共同研究者のケイト・オデル教授は述べている。

ただし、本研究には限界もまた存在するという。研究デザインとして、1回摂取によるきわめて短時間の影響しか観察しておらず、長期的な影響や毎日の摂取の影響への洞察がないのである。加えて、ここではエナジー飲料の単独摂取の効果しかみていないが、エナジー飲料はアルコールと共に摂取されることも多い。対象者も、18-40歳の健康な成人に限られていた。より若い者やより高齢の者については別の結果が得られる可能性がある。

「エナジー飲料の影響については、だれもがもっと注意を払うべきですが、健康に問題のある人にとっては特に重要です」とサー教授は述べている。「医療の専門家は、QT時間に問題のある患者や血圧が高い患者については、エナジー飲料の摂取を制限したり、どれくらい飲んでいるかを常に把握することが必要でしょう。」

出典は『米国心臓学会雑誌』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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