2016/01/15
Vol.1
日本は今、世界有数の長寿社会です。平均寿命は約80歳、まさに高齢化社会となっています。そして、ロコモティブシンドロームと呼ばれる運動器障害も増加傾向にあります。
健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間を健康寿命と言いますが、入院したり、治療が必要となるほどの運動器障害は、50歳以上に多く発症しています。このことは運動器障害があると健康寿命も短くなるということを意味しています。
今回は健康寿命にも大きく関わる、ロコモティブシンドロームについてみていきましょう。
運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を「ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ、和名:運動器症候群)」といいます。
高齢化が進み、人類がこれほどまでに長期間運動器を使用し続ける状態がなかったため、これまでの運動器機能障害対策では解決がつかない時代となってきました。
そこで新たに登場したのが、この「ロコモティブシンドローム」(以下、ロコモ)という新しい言葉です。
ロコモは、骨、関節、軟骨、椎間板、そして筋肉や神経で形成される運動器のいずれか、もしくはそれら複数に障害が起こり、立ったり歩いたりといった機能が低下している状態のことをいいます。
骨、関節、筋肉はそれぞれが連携して働いているため、そのうちのどれかひとつにでも障害があると身体は正常に動きません。
いつまでも自分の足で歩き、ロコモを予防して健康寿命を延ばしていくことが、今後もっと必要とされていくでしょう。
ロコモの症状である運動器障害は、高齢者に起こりがちな以下のような状態を指します。
・横断歩道を青信号の間に渡り切れない
・階段を上るのに手すりがないと上りにくい
・歩き続けるのがつらく15分歩き続けることができない
・片足立ちで靴下がはけない
・家の中でつまずいたり滑ったりする
このような状態を、単に「年のせいだから」と放置するのは危険です。運動器障害は徐々に進行していくので、自分で早く気付くことが大切です。
これらが進行すると、運動器不安定症となり、
・普通に歩いているのにふらついて転倒しやすい
・立ち上がり時や歩行時に関節に痛みが走りよろける
・骨が脆くなりちょっとした外傷で骨折してしまう
といった症状がみられるようになり、さらにこれらが原因となって最悪、寝たきりにまで進行してしまうことがあるのです。
このような状態にまで進行してしまうと、自分だけではなく家族など周囲の人にとっても大きな問題となり、健康寿命を大きく妨げることになります。
自分だけでなく家族のためにも、早い段階でロコモのことを知り、運動器の健康を維持することを心掛けた生活を送りましょう。
このように運動器障害はさまざまな症状となって、私たちの身体に表れますが、その中でも多くの高齢者が抱える疾患が、膝関節痛などの「痛み」を伴うものです。
痛みは、身体に何らかの異常や異変があることに気づかせてくれる、大事なサインでもありますが、必要以上に長く続く痛みや、原因が分からない痛みは、大きなストレスとなり精神衛生上好ましくありません。そればかりか、それが発端となって不眠やうつ病など、ほかの病気のきっかけになることもあります。
痛みが長く続くようなストレスに長くさらされていると、脳の中に本来持っている「痛みを抑える神経」の力が弱くなり、痛みを通常よりも強く感じたり、痛みそのものが慢性化することがわかっています。
そんな膝関節痛に対して、エゾウコギを飲用した研究報告があります。
膝関節痛を持つ男女を、エゾウコギを飲用するグループとプラセボ粒(有効成分を含まないもの)を飲用する2つのグループに分け、毎日膝関節痛改善体操を行ってもらい、飲用8週間後には膝関節がどれくらい曲がるかを調べる検査、また検査後は5回に渡り膝の痛みの程度や日常生活の状態などを調べるアンケート調査を行いました。
>>この試験方法、試験結果の詳細はこちらからご覧になれます。
>研究報告1
「エゾウコギ根粉末配合食品の膝関節痛軽減効果」が機能性食品と薬理栄養Vol.7 No.5(2013)に掲載
痛いと動くのが苦痛になり、動かなくなります。そうなると運動不足によりストレスが溜まりやすくなり、また運動不足から身体の運動機能が低下しロコモの状態が進んでしまいます。
長く自分の足で立って動く…。
そのためにもロコモへの早期対処をおこない、健康寿命を延ばし、毎日イキイキと笑顔で過ごしたいものですね!
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