2016/03/15
Vol.3
「ここのところ、毎晩よく眠れないし、原因がわからない不安感が常につきまとっている」
といった症状を訴える人が多いそうです。
こういった症状から考えられるのは、自律神経の乱れ。
人の身体は、頭の先から足の先まで、神経が張りめぐらされています。
その中のひとつ「自律神経」は、睡眠時の呼吸、血液を流す、食物の消化や吸収、老廃物などを排泄する、などを調整している神経です。
自律神経はそのときどきに応じて、最も身体に負担がかからないように、状況にあわせて体を適応させるために自動的に調整しているのです。
今回はこの生命活動に大切な自律神経を乱れさせる原因、ストレスとの関係性についてみていきましょう。
自律神経の乱れの主な原因は、さまざまなストレスです。
例えば、人間関係、仕事における悩みや不安といった精神的なストレスや、身体の疲れ、肩凝り・腰痛などの身体の痛みといった身体的ストレス、さらには音、光、温度などもストレスを引き起こすことがあります。これらのストレスが過剰になると、交感神経と副交感神経のバランス、つまり自律神経のバランスが乱れます。
自律神経は、身体の器官の活動を調整するために、休まず24時間働き続けている神経で、交感神経と副交感神経の2つの相反するはたらきをする神経によって成り立っています。
交感神経は、身体が活動しているときの昼間に活発になる神経で、副交感神経は、安静時や夜に活発になります。
このように、昼間の活動で疲れた身体を、夜眠ることによって身体を休ませて修復し、元の元気な状態に戻す、ということを私たちの身体は毎日繰り返しているのです。
この相反する2つの神経が、毎日バランスよくはたらくことで、いつも健康でいられるようになっているのですね。
ところが、その交感神経と副交感神経のバランスを崩してしまうのが「自律神経の乱れ」です。自律神経の働きが乱れると、体の器官にさまざまな不調が現われます。
ストレスの多い生活を送っていると、交感神経が優位になり、交感神経ばかりがはたらいてしまうので、副交感神経が十分にはたらけなくなってしまいます。
つまり、昼間の活動で疲れた心と身体の回復を行うことができず、さまざまな不調を引き起こす、という状態になってしまうのです。
このストレス以外にも、自律神経の乱れを引き起こす原因として、昼夜逆転などの不規則な生活や、自律神経失調症や更年期障害といった疾患から、自律神経の乱れを引き起こすこともあります。
ストレスはまさに、身体の内側からと外側の両方から、自律神経に影響を与えているのです。
ストレスが自律神経の乱れに繋がり体調不良を起こす、ということをお伝えしましたが、実は自律神経は、感情をもつ高等動物ほどその影響は大きくなるのです。
自律神経が乱れ体調を崩すのは、ストレスを感情によって感じ、それが原因となって自律神経が乱れ 、生命活動が乱れ、結果、体調不良となるわけですね。
では、この自律神経が乱れることによる体調不良とは、具体的にはどのような症状が起こるのでしょうか?
ひとつめは「自律神経失調症」です。
自律神経失調症とは、自律神経が乱れ、心や体に不調があらわれた状態で、不安や重圧などの心のトラブルにより、吐き気や多汗、全身の倦怠感、頭痛、手足のしびれ、動悸、不整脈、めまい、不眠などの症状があらわれますが、人によってあらわれる症状は実にさまざまです。
自律神経の乱れは、「神経性胃炎」も引き起こします。
ストレスや生活習慣の乱れなどから、自律神経がバランスを崩して胃酸が過剰に分泌されるようになってしまい、胸やけがする、胃が痛む、胃がもたれるなどの胃炎の症状を引き起こします。
また、「過敏性腸症候群」という、腸のぜん動運動に異常が起こり、腹痛をともなう慢性的な下痢や便秘などを引き起こすこともあります。この症状は、検査で調べても目に見える異常が認められないのが特徴です。
他には、内耳のリンパ液に異常が生じる「メニエール病」や、過剰な精神的ストレスが引き金となって、突然浅く速い呼吸を繰り返す「過呼吸症候群(過換気症候群)」を引き起こすこともあります。ひどくなると「パニック症候群」という精神障害が起こることも…。
このように身体だけでなく、イライラ、憂うつ感、不安、焦燥感(あせり)、集中力や記憶力の低下、好奇心がなくなる、無気力になる、といった精神的症状があらわれることもあります。
このように、自律神経が乱れるとさまざまな症状を引き起こしますから、普段から日常的にストレスに強い身体づくりをおこない、予防していくことが大切です。
予防の一番のポイントは、ストレスに気付くこと!
自律神経を乱すほどストレスを抱える人は、とても我慢強い人が多いのです。
我慢しすぎると、自分がストレスを抱えていることに気付けなくなってしまい、気付いたときには症状が深刻化し、うつ病になってしまうことも…。
そして、生活が乱れていたら修正していく。ゆっくり休養できる時間を作ったり、趣味を楽しんだり、運動することも大切です。
また、ストレスに強い身体づくりとして、「エゾウコギ」が研究されています。
>>この試験方法、試験報告の詳細はこちらからご覧になれます。
>研究報告1
「エゾウコギの自律神経調節による抗不安作用」を日本薬学会第135年会(2015)にて発表
>研究報告2
「エゾウコギエキス含有食品のヒトにおけるストレス軽減効果」が健康支援 第11巻第1号 18-24, 2009に掲載。
このように、ストレスに耐えうる肉体と精神をバランスよく整えていくことができれば、ストレスの多い現代でも楽しく自分らしく生きていけるはずです!
現代は便利な世の中ではありますが、それが心と身体から「ゆとり」を奪っていることもとても多いもの。
しかし、すべての人がストレスによって疾患を引き起こすのかというと、そうでもありません。自分を知り、自分の心地よい環境を整え、心地よいと思う時間を作っていくことができる人は、ストレスと上手に付き合っている人です。
ストレスそのものよりも、「そのストレスに対する適応力があるかどうかの問題」、と言っていいでしょう。
ぜひ、ストレス耐性をつけて、ストレスと上手に付き合ってくださいね。
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