2015/09/15
Vol.3
アルツハイマー病は、どんどん増加の傾向があるとの報告があり、65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍と言われています。もはや「自分や家族は大丈夫」と言い切れないのが現状です。
では、日本の高齢者にとって他人事ではなくなった、アルツハイマー病などの老年性認知症の進行を予防するにはどうすればいいのでしょうか?
アルツハイマー病予防の3原則によると、
1.有酸素運動をする
2.話し相手を持つ
3.生活習慣病にならない食生活
が大切であると言われています。
今回は、このアルツハイマー病などの老年性認知症の進行を予防する可能性が高い、と言われている栄養素のお話をしましょう。
アルツハイマー病は、今からおよそ100年も前の20世紀の初めに、ドイツの精神医学者であるアルツハイマー博士によって報告され、博士の名をとってアルツハイマー病と名づけられた、認知症の中でも最も多い脳神経疾患です。現在では、「認知症」の多くを占める疾患として認知されています。
「もしかしたらアルツハイマー病ではないか?」と意識し始める症状が、物忘れです。
忘れるということは誰にでもあることで、例えば「今日、貸した本を持って来てくれる約束でしたよね?」というように、忘れた事を指摘すると「忘れていた!」と、忘れていたことを思い出すのが普通です。でもアルツハイマー病の人は、忘れていたことを思い出す事が出来ません。
借りた本を返すと約束していても、その約束したことを忘れてしまい、「そんな約束、したのだろうか…?」と記憶になくなっていることが、よくある物忘れと違うところなのです。
アルツハイマー病は、痴呆の症状が出るので、認知症と同じ病気と思われていることが非常に多いのですが、あくまでも認知症の種類の中の一つで、アルツハイマーと認知症を同じ病気と捉えることは正しくありません。
つまり、アルツハイマー病は、認知症を引き起こす原因となる病気の一つであり、脳の病気になっているかどうかの違いによってアルツハイマー病と認知症とに分かれます。
簡潔に説明すると、
ということになります。
アルツハイマー病予防の3原則にもあるように、予防のひとつとして「生活習慣病にならない食生活」が挙げられています。
食は身体が栄養素を摂取するために、とても大切なことです。食生活が乱れていると、生活習慣病になるリスクが高まり、高血圧・脂質異常症・糖尿病・肥満の「死の四重奏」と呼ばれる病気を発症する危険性があります。
食生活が大切なのは、アルツハイマー病にも言えること。
近年、アルツハイマー病患者が多くなっているのは、食生活が欧米化し、外食、不規則な食事時間などが影響していると言っても過言ではないでしょう。
アルツハイマー病患者の赤血球は、過酸化リン脂質の濃度が高く、赤血球膜に異常な蓄積がみられます。過酸化リン脂質とは、分かりやすく言うと「酸化した脂」のこと。この「酸化した脂」が赤血球内にたくさん溜まっている状態なのです。そして、アルツハイマー病患者は、赤血球のカロテノイドの濃度が低くなっています。
反対に、健康な人の赤血球はカロテノイドの濃度が高く、過酸化リン脂質の濃度は低いのです。
過酸化リン脂質濃度が高い、つまり赤血球が老化した状態では脳細胞への酸素の移行が低下するので、アルツハイマー病を進行させているのではないか、と推測されるのです。
カロテノイドとは、動植物が持つ、自然界に存在する黄色や赤色の色素の総称で、その数はなんと600種類以上もあります。カロテノイドは強力な抗酸化力を持ち、活性酸素を除く力に優れているので、生活習慣病などの疾病の予防に効果的な栄養素として知られています。
カロテノイドには、βカロテン、ルテイン、リコピン、β-クリプトキサンチンがあります。
ルテインは、赤血球膜に蓄積している過酸化リン脂質の酸化に対して強い抗酸化作用を示します。つまり、赤血球を老化させる過酸化リン脂質の酸化を予防するのが、ルテインなのです。
そのルテインを積極的に摂取することで、アルツハイマー病の予防の可能性があると考えられています。
しかし、ルテインは体内で作ることができないので、食材から摂取するしかありません。
健康な中高齢男女にクロレラを8週間飲用してもらい、飲用前と飲用4週間後、8週間後に赤血球中のルテイン濃度と過酸化リン脂質濃度を測定する、という試験をおこなったところ、赤血球中のルテインが約4.6倍に増加し、過酸化リン脂質の有意な低下が認められたのです。
>>この研究報告の詳細はこちら
「クロレラの赤血球膜リン脂質に対する抗酸化作用に関する研究成果」が学術誌Journal of Oleo Scienceに掲載 | サン・クロレラ研究サイト
「死ぬまで自分の歯で食べたい」と言う人は多いです。
それと同じように、「死ぬまで自分の脳で色々なことを考え、感じたい」と思う人も多いでしょう。
これからは自分の「脳」にも、よい栄養をしっかりと運んであげたいものですね。
© SUN CHLORELLA CORP.