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健康素材の研究レポート 一覧

サン・クロレラ研究開発部が健康素材の試験や分析した結果を報告しています。

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【学術情報】

(株)サン・クロレラ研究開発部

「エゾウコギエキス含有食品のヒトにおけるストレス軽減効果」が健康支援 第11巻第1号 18-24, 2009に掲載

2009年02月

現代人は、一生を通じて様々なストレスにさらされています。ストレスの蓄積は、胃潰瘍、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病、うつ病に代表される心の病気などを発症させる大きな要因になるばかりでなく、突然死や過労死の引き金になるとさえいわれています。ストレス社会に生きる私たちにとって、ストレスの症状さらにはストレスがもたらす疾患を軽減することは、健康な生活を送る助けとなるでしょう。

研究目的
エゾウコギの抗疲労・抗ストレス作用は、過去に我々が行った強制遊泳させたマウスの試験で明らかになっています(詳しい内容は、「実験動物におけるエゾウコギ根抽出物の機能性」(2004年日本栄養・食糧学会誌掲載)をご覧ください)。そこで、本研究では、エゾウコギエキス含有飲料のヒトに対する抗ストレス効果について検証しました。
実験方法
ストレスの自覚感を持つ20歳から55歳の一般男性32名のなかから、日常的なストレスの自覚を心理的に評価するGHQ1)によって被験者22名を選び、エゾウコギエキス含有飲料群11名と、エゾウコギエキスが含まれていないプラセボ群11名に分けました。
被験者には、それぞれの飲料を飲んでもらい、飲用1時間後から、3つのストレス負荷テスト(新ストループ検査Ⅱ2)Raven’s matrix検査3)内田クレペリン検査4))を行いました。
飲用前とテスト終了直後、テスト終了30分後に、POMS6)によるアンケートで心理的ストレスを測定し、それぞれの結果を、エゾウコギエキス含有飲料群とプラセボ飲料群で比較しました。
また、飲用前とテスト期間中の30分毎に唾液を採取し、唾液中のストレスマーカー5)を測定しました。
 結   果
エゾウコギエキス含有飲料の単回飲用により、以下のような作用が確認されました。
1)POMSの「不安-緊張」得点がプラセボ群と比べて統計学的に有意に軽減し(図1)、その効果は日常的なストレス自覚が高めの被験者に対してより効果的であることが示唆されました。
2)3つのストレス負荷テストの正解率に関して、Raven’s matrix検査ではプラセボ群と比べて統計学的に有意に高い値を示し、内田クレペリン検査では高くなる傾向がみられ、ストレスによって起こる認知判断および正確さの低下を抑える可能性が示されました。
以上の結果から、エゾウコギエキス含有飲料は、ヒトに対するストレス軽減効果を有する可能性が示され、その効果は日常的なストレス自覚が高めの被験者に対してより効果的であることが示唆されました。

 

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用語説明

1) : GHQ(General Health Questionnaire 28)
最近一週間の精神健康度の評価法。「身体症状」、「不安と不眠」、「社会的活動障害」、「うつ傾向」の4つの尺度を用いる。各7点満点で、本試験では、総得点6点以上を、軽度から中等度のストレスを感じていると評価した。
2) : 新ストループ検査Ⅱ
色名とインクの色を照合する作業。例えば緑色で書かれた「くろ」の文字に合う色を選ぶ。注意力を集中する作業がストレスとなる。
3) : Raven’s matrix検査
標準図案の欠如部分を6つの図案から選択する。認知し判断する作業がストレスとなる。
4) : 内田クレペリン検査
ひと桁の足し算を、5分の休憩をはさんで、前半15分間、後半15分間連続して行う。計算を早く正確に行う作業がストレスとなる。
5) : 唾液中のストレスマーカー
コルチゾール、free-MHPG、s-IgAの3つを測定したが、本試験ではいずれも明確な差はみられなかった。
6) : POMS
ストレスの自覚症状を、「不安-緊張」、「抑うつ-落ち込み」、「怒り-敵意」、「活気」、「疲労」、「混乱」の6つの気分尺度で評価する。各尺度の素得点は、性差を無くしたスコアに変換して評価する。

 詳   細 

タイトル:
エゾウコギエキス含有食品のヒトにおけるストレス軽減効果
著  者:
齋藤昌子1、竹腰英夫1、中鉢博文2、矢島潤平3、岡村尚昌4、津田彰5
所  属:
1)株式会社サン・クロレラ、2)財団法人北海道薬効植物研究所、3)別府大学文学部人間関係学科、4)久留米大学高次脳疾患研究所、5)久留米大学文学部心理学科

PDF版 256KB

※この情報は、学術雑誌や学会において発表された内容の掲載であり、商品の販売促進を目的とするものではありません。

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