2015年には、日本の女性の2人に1人が50歳以上になると見込まれています。
その後は、さらにその割合は増加することが予想されています。

女性の身体は、女性ホルモン(エストロゲン)が、さまざまな生活習慣病から強く守ってくれていることが、多くの研究から分かっています。女性ホルモンが欠乏していく更年期以降、女性の動脈硬化や生活習慣病は急増し、その医療費は男性の医療費を上回っています。

更年期を迎えた女性にとって女性ホルモンが欠乏していく、これからの30年をいかにイキイキと健やかに過ごすことができるか。
それは、健康寿命延伸を掲げる日本に課せられたテーマとなっています。

動脈硬化などの生活習慣病は、偏った生活習慣によって引き起こされますが、中でも食生活が大切です。最近の研究では、葉酸やビタミンB12などの不足、それに伴うホモシステインの増加が3大死因のガン、心疾患、脳血管障害、さらには認知症などさまざまな生活習慣病の原因の一つと言われています。

葉酸やビタミンB12など不足しがちな栄養を補給し、ホモシステインを高値にしないことが大切です。

次々とブームになり、消えていく健康食品の中で、40年以上も長く、多くの愛用者をもつクロレラ。緑藻類の一種であるクロレラは、葉酸やビタミンB12など複数の栄養素をバランスよく含むことが知られています。単一成分のサプリメントと違い、複数の成分による相互作用をもつクロレラの機能性解明は非常に困難です。

しかし近年、遺伝子を用いた研究の進歩で、クロレラのホモシステイン低下作用やさまざまな生活習慣病に対する効果が次々に示されています。

世界的に増加している2型糖尿病は進行すると脳卒中や腎症、認知症などの合併症を起こすことが知られています。そこで、2型糖尿病予備群の人に対し、クロレラとプラセボ食品を飲用する人に分け、血液検査を行ないました。その結果、クロレラ飲用者は、脂肪酸の代謝向上や酸化ストレスの改善が示されました。これらの改善は、2型糖尿病への進展抑制が期待されます。また、血液中の葉酸濃度が増加、ホモシステインが有意に低下することが示され、糖尿病だけに留まらず貧血、動脈硬化、心血管疾患、脳血管疾患、認知症などの幅広い予防が期待できます。

加齢に伴う血管の硬さの増大は、心血管系疾患の独立した危険因子となります。45～75歳の健康な中高齢者男女を対象にクロレラ飲用とプラセボ飲用による二重盲検群間比較試験を行いました。プラセボ群では、有意な差はありませんでしたが、クロレラ飲用者では血管の硬さが改善されること、その仕組みとして血管の細胞が作り出す一酸化窒素の増加が示されました。

クロレラは、鉄などのミネラル類、葉酸やビタミンB12などのビタミン類ほか多様な栄養素を含みます。潜在的な鉄欠乏が多いといわれる女子大学生が、クロレラを摂取したところヘモグロビン濃度やトランスフェリン値等の鉄栄養状態の改善作用が示されました。また、血液中の葉酸値の低下を抑制しホモシステインの低下が示されました。

便秘は、女性や高齢者に多い症状ですが、便秘により腸内環境が悪化すると腸内に腐敗産物が増加し、免疫能の低下や発がん、老化等の健康に大きな影響を与える可能性があります。クロレラを摂取したところ、飲用前と比較して排便量および排便回数とも増加することが示されました。

【速報】

2014年10月25日に行われた日本栄養・食糧学会 近畿支部おいて、遺伝的に葉酸の利用効率が悪く、ホモシステインが高値の人が、クロレラを飲用することで、血液中の葉酸値の増加とホモシステインが大きく低下することを発表しました。